ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)世界の定期予防接種率、2014年
2015/11/13Vol. 64 / No. 44
MMWR64(44):1252-1255
Global Routine Vaccination Coverage, 2014
2014年は、定期予防接種への公平なアクセスを確保するWHOの予防接種拡大計画の40周年にあたる。1974年から、4つの主要なワクチン[結核予防のためのBacille Calmette-Guérin ワクチン(BCG)、ジフテリア・破傷風・百日咳ワクチン(DTP)、ポリオウイルスワクチン、麻疹ワクチン]の世界的な接種率は5%未満から85%以上へ上昇し、追加ワクチンも推奨されるスケジュールに加えられている。生後12カ月までのDTPの3回目(DTP3)の接種率は、DTP3が基本となる乳児予防接種スケジュールの完了を示すことから、予防接種プログラム機能の指標となる。今回、DTP3とともにポリオウイルスワクチンの3回目(polio3)および麻疹含有ワクチンの1回目(MCV1)の接種率を調査した。2014年では、生後12カ月以下の乳児間の世界全体の推定されたDTP3接種率は86%で、WHOの地域別では77%(アフリカ)~96%(西太平洋)であった。接種基準に該当する約1870万人の小児が3回のシリーズの摂取を完遂せず、このうち、初回未接種:61%、2回目以降未接種:39%であった。推定される世界全体のBCG、 polio3、MCV1接種率は、各91%、86%、85%であった。2014年の間に、194のWHO加盟国のうちDTP3接種率が国内全体で90%以上および全地域で80%以上を達成したのは、それぞれ129カ国(66%)および57カ国(29%)であった。追加ワクチンの定期予防接種スケジュールへの導入は増加しており。2014年末までに、B型肝炎ワクチンは184カ国(95%)で導入され、96カ国(49%)ではB型肝炎の周産期感染を防止するために生後24時間以内に投与された。2014年において、B型肝炎ワクチン3回の世界の接種率は82%、生後投与の接種率は38%であった。風疹ワクチン、ヘモフィルス-インフルエンザb型ワクチン、ロタウイルスワクチン、肺炎球菌結合型ワクチンを定期予防接種へ導入した国の数は、それぞれ140カ国、192カ国、74カ国、117カ国で、接種率はそれぞれ46%、56%、19%、31%であった。世界における定期的な2回目のMCV推定接種率は、生後24カ月までが38%、それ以上の年齢グループを含めて56%で、2013年と同等(各36%、56%)であった。すべての国において高率の予防接種率を達成および維持するには、適切なワクチン在庫管理および2歳時の定期的な通院のような予防接種の追加の機会が、予防接種プログラムの強化およびワクチンで予防可能な疾患の発症および死亡を減少させるために、欠くことのできない要素である。
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