ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)医療従事者におけるエボラウイルス病 ― ギニア、2・・・
2015/10/02Vol. 64 / No. 38
MMWR64(38):1083-1087
Ebola Virus Disease in Health Care Workers — Guinea, 2014
エボラウイルス病(Ebola)のアウトブレイクは2013年12月にギニアで始まり、2015年9月まで続いた。西アフリカの医療従事者(HCW)は、適切なトリアージ手順の欠如、不十分な機材、不適切な感染対策の実施のためにEbola感染のリスクが高い。ギニアのHCWにおけるEbola感染に関する最近の疫学的特徴を調査するために、2014年1月1日~12月31日間に報告されたHCWの症例について、同国のViral Hemorrhagic Fever surveillanceデータを分析した。2014年、15歳以上のギニアの成人において、Ebolaが検査室で確認された、または可能性のある症例は2,210例で、このうちHCWは162例(7.9%)であった。ギニアの推定されるHCW数(11,529人)および15歳以上の人口(615万人)から、HCWでのEbola感染の発生率は非HCWよりも42.2倍上昇した。このアウトブレイクでのHCW間のEbola感染は、最初に2014年1月(week4)に報告され、単独の週ではweek51の15例が最大であった。HCWの感染はコナクリおよび33県中17件(52件)で報告され、コナクリ(64例)とN’Zérékoré(17例)で増加した。検査室でEbola確診および可能性例において、HCWは非HCWよりも男性の占める割合が多く、HCWと非HCWの両方で15~49歳において発生率が高かった。非HCWの症例では、死亡率が高く、死後に地域内で発見される傾向があった。HCWは非HCWと比べ、Ebola治療ユニット(ETU)に隔離される可能性が高かったが、症状発症と隔離までの時間は同様であった。すべての症例でEbola曝露に関するデータは不完全であったが、HCWは非HCWと比べ葬式への出席およびEbola感染が分かっている人への接触の報告は少なかった。Ebolaに感染したHCWの主な職業は、医師、看護師、保健師で、HCW全体の2/3を占めた。ギニアのHCWでは検査技師の発生率が最も高く(人口1000人あたり34.7)、次いで医師(人口1000人あたり26.6)、助産師(人口1000人あたり8.7)、看護師(人口1000人あたり5.5)であった。勤務場所がわかっている114例のHCWうち、ETU勤務は1例のみであった。HCWのEbola感染はEbolaアウトブレイクの対応のために重要な問題であり、HCW症例の徹底的な調査は、曝露源、隔離の遅れの理由、感染のリスクが増加する職業などの解明のために重要である。高リスクの職業グループのEbola感染を予防するために、継続的な感染予防と制御努力とともに、感染に対するHCWのリスクの理解を深めることが必要とされている。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.