ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)HIV新規陽性の同定と治療への連携 ― 23タイプ・・・
2015/06/26Vol. 64 / No. 24
MMWR64(24):663-667
Identifying New Positives and Linkage to HIV Medical Care — 23 Testing Site Types, United States, 2013
アメリカでヒト免疫不全ウイルス(HIV)とともに生きる人は推計120万人であるが、そのうち約14%は未診断である。CDCは、HIV感染率が0.1%以上の地域に対し、医療機関における13~64歳を対象としたスクリーニングを推奨している。さらに、非医療機関において行動学的または臨床的にHIV感染リスクの高い人を対象にスクリーニングを実施することにより、未受診者の低減が可能と考える。そこで、61地域(50州およびワシントンDC、プエルトリコ、アメリカ領ヴァージン諸島および8都市)および151自治組織における23タイプの検査サイトについてデータを解析した。2013年、CDCの資金提供の下、計3,343,633件のHIV検査が実施された。そのうち医療機関では、プライマリ・ケア(27.2%)、性行為感染症(STD)専門医(25.6%)、救急外来(15.0%)、その他(12.8%)、矯正施設(10.3%)で実施された。HIV新規陽性率は、STD専門医(0.8%)、その他外来(0.5%)、薬物中毒治療施設(0.4%)、HIV専門医(0.4%)、入院施設(0.4%)で高かった。一方、非医療機関では、HIVカウンセリング・検査機関(46.7%)、その他(20.5%)、自治体(13.8%)での検査が多く、新規陽性率は、HIV陽性者の性行為パートナーを対象としたフィールドサービス(1.3%)、バー、クラブ等の成人娯楽施設(1.2%)、個人住居(1.1%)、HIVカウンセリング・検査機関(1.0%)で高かった。新規陽性者が診断後90日以内にHIV治療を受けた新規治療率は、12医療機関のうち8機関、11非医療機関のうち7機関で目標値の85%を超え、STD専門医(85.3%)およびHIVカウンセリング・検査機関(91.8%)で高かった。人種/民族別では、医療機関ではSTD専門医における新規陽性率が白人(0.5%)、黒人(0.8%)、ヒスパニック系(1.0%)ともに最も高く、非医療機関では成人娯楽施設が黒人(2.3%)、ヒスパニック系(1.3%)、白人(0.8%)ともに最も高かった。非医療機関における新規陽性率は、男性間性行為者(5.8%)、異性間性行為の男性(0.8%)および女性(0.7%)ともにフィールドサービスにおいて高かった。以上の結果から、特定の検査施設・機会を重点化することで、より効果的な新規陽性者の検出および医療機関受診への連携が可能となるであろう。
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