ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)僻村地域におけるエボラアウトブレイクに対する迅速対・・・
2015/02/27Vol. 64 / No. 7
MMWR64(7):188-192
Rapid Response to Ebola Outbreaks in Remote Areas — Liberia, July–November 2014
Liberia Ministry of Health and Social Welfare(MOHSW)は2014年8月よりCDC、WHOおよびその他の機関の支援を受け、僻村地域におけるエボラウイルス病(Ebola)アウトブレイクの体系的調査および対応を開始し、10月初めにはRapid Isolation and Treatment of Ebola(RITE)として郡の健康チーム(CHT)の活動を強化し、MOHSWの技術的および業務のアシスタンスを行っている。2014年7月6日~11月20日の間に僻村地域にて発生したEbolaアウトブレイクは15件(9カ国)であり、うち12件に関する調査が完了した。12件のアウトブレイクにおける症例数は計263例(確診例:155、可能性例:71、疑い例:37)であり、死亡例は190例(致死率:72%)であった。アウトブレイクあたりの症例数は22(4~64)例、発生した地域の人口は800(301~6,200)人であった。症例の年齢は32歳(15日齢~84歳)、144例(55%)が女性であった。12件のうち8件はモンロビア(リベリアの首都)、2件は近隣郡からの輸入例より発生し、症例との密接な接触(症例の介護や遺体との接触)により感染が拡大した。index症例の発症からCHTによる警告までの期間は33(0~58)日であり、10月1日以前(RITE戦略開始前)に発生した6件のアウトブレイクでは40日、10月1日以降の6件では25日(いずれも中央値)に短縮した。アウトブレイクの期間は43(7~97)日間、初期のアウトブレイクは53日、後期は25日間であった。隔離、治療された症例は初期:28%から後期:81%に増加し、確診例もRITEにより治療施設への搬送例および検体回収率の増加により44%から81%に増加した。また、死亡率は87%から50%に低下、2015年1月8日の時点で症例数の増加は認めていない。以上、RITEなど僻村地域におけるアウトブレイクへの対応の強化により、迅速かつ適切な対応が可能となり、感染拡大の抑制および死亡率の低下など転帰の改善が認められた。
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