ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)麻疹のアウトブレイク ― カリフォルニア州、201・・・
2015/02/20Vol. 64 / No. 6
MMWR64(6):153-154
Measles Outbreak — California, December 2014–February 2015
2015年1月5日にCalifornia Department of Public Health(CDPH)は麻疹が疑われる1例の報告を受けた。症例は予防接種未接種の11歳で12月28日に発疹が出現し入院した。症例は曝露期間中にカリフォルニア州オレンジ郡にあるディズニーテーマパークに旅行していた。同日、さらに疑い例4例(カリフォルニア州在住、ユタ州在住各2例)が報告されたが、いずれも12月17日~20日に同テーマパークを訪れていた。1月7日までに、7例の麻疹が確認され、CDPHはアウトブレイクに関してプレスリリースを発表し、他の州へEpidemic Information Exchange(Epi-X)を通知した。アウトブレイクは現在進行中で、2月11日現在、2014年12月28日から2015年2月8日に発疹を伴う麻疹の発症は125例で、このうち110例はカリフォルニア州在住であった。カリフォルニア州在住例のうち39例(35%)は、12月17日~20日の間に同テーマパークを訪れて麻疹に曝露したと考えられ、37例(34%)の曝露源は不明、34例(31%)は二次感染例であった。カリフォルニア州の5例(5%)は、上記以外の期間に同テーマパークを訪れていたが、感染源は不明であった。同テーマパークに関連した症例は他の7州にて15例報告され(アリゾナ州:7例、コロラド州:1例、ネブラスカ州:1例、オレゴン州:1例、テキサス州:1例、ユタ州:3例、ワシントン州:2例)、また、近隣国のメキシコ(1例)およびカナダ(10例)でも報告された。カリフォルニア州の症例のうち、49例(45%)はワクチン未接種で、47例(43%)は接種状況が不明であった。ワクチン未接種症例のうち12例は、接種する年齢に達していない乳児であったが、残り37例中28例は個人的信条のため意図的に接種せず(うち18歳未満18例)、1例は別の予防接種プランであった。症例の年齢中央値22歳(生後6週~70歳)で、入院状況がわかっている84例中17例(20%)が入院した。テーマパークでの最初の曝露源は同定されていないが、カリフォルニア州の30例の検体からは、最近フィリピンでアウトブレイクが発生し、6カ月以内に少なくても14カ国およびアメリカの6つの州で検出された遺伝子型B3の麻疹ウイルスが全例で検出された。今回のアウトブレイクは、麻疹が風土病である国への旅行だけではなく、多くの国際的な訪問者があるアメリカでは、麻疹の高い予防接種率を確実に継続することの重要性を示している。
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