ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)エボラウイルス病の流行 ― リベリア、2014年3・・・
2014/11/21Vol. 63 / No. 46
MMWR63(46):1082-1086
Ebola Epidemic — Liberia, March–October 2014
リベリアは、現在エボラウイルス病(Ebola)のアウトブレイクが進行中の西アフリカ3国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)の中で最も症例数が多く、2014年11月2日までの症例数は6,525例、死亡者数は2,697例に上る。リベリアにおけるEbolaの流行は、ロファ郡において2014年3月にギニアのアウトブレイク発生地から帰国した症例に始まり、3~10月の間に国内全域から疑い例2,445例、可能性例1,623例、確診例2,456例がリベリア保健安全省(MOHSW)に報告されている。医療従事者における感染は329例に上り、多数の医療施設が閉鎖された。症例数の増加に対応するため、国境なき医師団らNGOやWHO、WFP等国連機関が各地にETUを開設し、9カ所のETUに計697床が設置され、6月5日~11月8日の間に計4,024例がETUを受診し、2,956例(73.5%)がEbolaとされた。葬儀の慣習による感染を防ぐため、10月までに全郡で訓練と装備を備えた埋葬チームが54チーム結成された。モンセラード郡では住民の抵抗に遭いながらも全遺体の火葬を実施した。一方、3郡(ロファ、モンセラード、ボン)に5カ所の検査室が設置され、RT-PCRによるエボラウイルスの検出を実施した。検査検体数は9月下旬~10月初旬のピーク時には700検体/週を数えたが、9月28日以降減少している。総計で7,043検体を検査し、5,132例の症例中2,941例(57.3%)が陽性であった。MOHSWの緊急事態管理システムに基づく介入により、リベリアにおけるEbola症例数は減少傾向にあるが、未だ15郡中12郡では流行が継続し、特に支援の行き届かない地域では頻発している。Ebola根絶までさらなる介入の強化が必要である。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.