ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)エボラウイルス病の輸入および封じ込め ― セネガル・・・
2014/10/03Vol. 63 / No. 39
MMWR63(39):873-874
Importation and Containment of Ebola Virus Disease — Senegal, August–September 2014
2014年8月中旬にギニアからセネガルのダカールにいる家族のもとを訪れていた21歳のギニア人男性が、8月29日にエボラウイルス病(Ebola)の初症例として確診された。男性は26日、セネガルの病院に入院し、すぐに隔離され、29日、血液検査にてEbolaと確認された。男性の母親と妹も26日に入院しており、この家族のEbola感染は8月上旬、伝統的治療家を求めてシエラレオネからギニアへ陸路で入国した兄からの感染と考えられており、兄は8月10日、ギニアにて死亡、この症例を含む家族はみな兄の葬式に参列していた。本症例は8月14日前後に7人乗りのタクシーでセネガルに到着、16日に発熱、下痢および嘔吐を来し、18日、近医を受診し、25日まで静脈内輸液の投与と対症療法を受けていた。26日、Fann大学病院に移ったが、旅行歴およびEbola患者との接触歴については明らかにしていなかった。本症例と接触のあった67名を全員、8月29日から21日間まで自宅隔離とし、赤十字スタッフが1日2回モニタリングのため接触し、体温と症状が記録された。モニタリングは9月18日に終了、新たな症例は認められず、本症例も回復し19日に隔離解除となった。WHOによると、9月23日にて西アフリカにおけるEbola症例数は6,574例、死亡者数は3,091例と報告され、現在、ギニア、リベリアおよびシエラレオネにて流行しているが、近隣の国々ではEbolaの輸入のリスクがあり、セネガルではこのような輸入例に対する対応を準備していたため、感染の拡大が阻止されたと考えられる。
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