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MMWR抄訳

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2014/09/12Vol. 63 / No. 36

MMWR63(36):785-788
Assessment of Varicella Surveillance and Outbreak Control Practices — United States, 2012

水痘サーベイランスおよびアウトブレイクコントロール実施状況の評価 ― アメリカ、2012年

症例ベースの水痘サーベイランスは水痘ワクチンプログラムの効果をモニタリングするために重要である。2002年、Council of State and Territorial Epidemiologists (CSTE)は全州に対し、2005年までの症例ベースの水痘サーベイランスの確立を勧奨し、2003年に水痘は届出伝染病に指定された。2012年、CSTEおよびCDCは51管轄区(50州およびワシントンDC)における水痘サーベイランスの実施状況について評価を行った。2012年までに、51管轄区のうち44区(86.3%)が水痘サーベイランスを確立し、そのうち38区は州全域または定点施設にて症例ベースサーベイランスを実施していた。年齢・性別・人種/民族(それぞれ97.4%)、ワクチン接種歴(94.7%)、アウトブレイク関連情報(86.8%)、重症度(84.2%)、入院数(92.1%)、死亡数(89.5%)の各データについては84%以上の管轄区が報告する一方、治療情報については22区(57.9%)とばらつきも見られた。CDCへの報告をHealth Level 7 (HL7)のデータ通信システムを介して行っている区は44管轄区中19区(43.2%)に限られた。51管轄区のうち49区(96.1%)は水痘アウトブレイクに関する広報を行い、予防法としてワクチン接種を推奨していた。31区(60.8%)は水痘アウトブレイクコントロールに関する州のガイドラインが存在すると報告した。41区(80.4%)は水痘の検査が可能な設備を有し、17区(33.3%)は日常的に検査を行っていた。2012年の学校入学時に、13区(25.5%)が水痘ワクチンの1回接種、20区(39.2%)が2回接種、17区(33.3%)は学年に応じ1回および2回接種の両方を受けていることを必須としており、1区(2%)は接種を必須としていないと報告した。以上、水痘サーベイランスの確立について実質的な進歩が見られ、水痘の流行状況のモニタリングが可能となった。今後、CDCが全管轄区からデータを収集し、予防接種プログラムの有効性評価や将来の施策に資するためにはHL7データ通信システムの導入が不可欠である。

References

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