ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)癌生存者の医療費と生産性の損失 ― アメリカ、20・・・
2014/06/13Vol. 63 / No. 23
MMWR63(23):505-510
Medical Costs and Productivity Losses of Cancer Survivors — United States, 2008–2011
アメリカにおいて癌の既往を有する人は1971年では約300万人であったが、2012年には約1,340万人と人口の約4.6%まで増加している。癌の生存者は医学的な経過観察が必要であり、長期的な治療および再発のモニタリングを受けるが、他の癌の発症リスクは高い。2008~2011年のMedical Expenditure Panel Survey (MEPS)データの分析では、癌生存者(6,722名)は癌の既往のない人(86,865名)に比べ女性が多く(58.2% vs 51.0%)、人種/民族は非ヒスパニック系白人が多く(84.8% vs 66.1%)、健康状態は「非常に良い(Excellent)/とても良い(Very good)」は少なく(39.6% vs 60.0%)、「普通(Fair)/悪い(Poor)」が多かった(28.1% vs 12.2%)。また、医療保険未加入例は少なく(10.3% vs 18.9%)、複数の慢性疾患の合併例が多く認められた(3疾患以上の合併例:43.5% vs 16.6%)。癌生存者の平均年間医療費は男性にて8,091ドル(既往のない人:3,904ドル)、女性にて8,412ドル(同:5,119ドル)であり、医療費の支払源は民間の医療保険が最も多く(男性:3,003ドル、女性:3,899ドル)、支払い事由は外来診療(男性:2,640ドル、女性:3,817ドル)、入院費(男性:1,722ドル、女性:1,843ドル)が多かった。癌生存者における一人当たりの年間平均生産性損失は男性にて3,719ドル(既往のない人:2,260ドル)、女性にて4,033ドル(同:2,703ドル)であった。癌と診断された時に雇用されていた癌生存者は癌およびその治療が仕事上の肉体的作業(25%)および精神的作業(14%)に支障を来し、約25%が生産性の低下を自覚していた。診断時の就業率は男性にて高かったが(男性:62%、女性:55%)、女性の方が癌を理由に仕事を変える傾向が強かった(男性:34%、女性:48%)。
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