ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)インフルエンザ活動性 ― アメリカ、2013~20・・・
2014/06/06Vol. 63 / No. 22
MMWR63(22):483-490
Influenza Activity — United States, 2013–14 Season and Composition of the 2014–15 Influenza Vaccines
アメリカの2013~2014年シーズン(2013年9月29日~2014年5月17日)におけるインフルエンザ活動性は11月から12月にかけて上昇し、12月下旬にピークに達した。シーズン初期にインフルエンザA (H1N1) pdm09 (pH1N1)が、2009年のパンデミック以来初めて優勢となり、続いてB型が優勢となった。A (H3N2)も低いレベルながら報告された。WHOとNational Respiratory and Enteric Virus Surveillance Systemの共同検査室にて308,741検体の検査を行った結果、53,470検体(17.3%)が陽性で、そのうちA型が46,727検体(87.4%)、B型が6,743検体(12.6%)であった。A型のうち31,353検体(67.1%)の亜型解析では、pH1N1が90.3%(28,323検体)、A (H3)が9.7%(3,030検体)であり、変異型インフルエンザA (H3N2) (H3N2v)が1例検出された。抗原解析では、pH1N1ウイルスの99.9%(2,033/2,036検体)、A (H3N2)ウイルスの95.3% (406/426検体)が、それぞれ2013~2014北半球インフルエンザワクチン成分であるA/California/7/2009およびA/Texas/50/2012と一致した。B型ウイルスの72.9%(323/443検体)がB/Yamagata系統であり、そのうち99.7%(322検体)が3価および4価ワクチンの成分であるB/Massachusetts/2/2012と一致した。27.1%(120検体)はB/Victoria系統であり、4価ワクチンの成分であるB/Brisbane/60/2008と一致した。薬剤感受性試験では、B:508検体およびA (H3N2):683検体は全てオセルタミビルおよびザナミビル感受性であった。pH1N1:5,103検体のうち59検体(1.2%)がオセルタミビルに耐性であった。ザナミビルに対しては、検査した1,890検体すべて(オセルタミビル耐性59株を含む)が感受性であった。インフルエンザ様疾患による外来受診者/週は15週連続で基準値(2.0%)を上回り、第52週(12月第4週)に4.6%とピークに達した。2013年10月1日~2014年4月30日に9,586例のインフルエンザ関連入院があり、全年齢の総入院率は35.6 (10万人当たり)となった。年齢層ごとの入院率は、0~4歳:46.9、5~17歳:9.5、18~49歳:22.0、50~64歳:54.3、65歳以上:88.1となった。50~64歳の年齢層における入院率は2009年のパンデミック以来有意に高く、この年齢層における交差免疫能とワクチン接種率の低さを反映していると推察された。肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は8週連続で流行閾値を超え、2014年第4週に8.7%とピークに達した。小児のインフルエンザ関連死は96例で、43例がpH1N1であった。FDAは2014~2015年インフルエンザワクチン抗原を2013~2014年と同じ組成にすると決定した。変異型H3N2vウイルス、インフルエンザA (H7N9)およびアメリカ以外でヒトから検出された鳥インフルエンザウイルスについては引き続き監視が必要である。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.