ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)ラテン系食料雑貨品店で販売されたサルファ剤に関連し・・・
2013/11/22Vol. 62 / No. 46
MMWR62(46):914-916
Fixed Drug Eruption Associated with Sulfonamides Sold in Latino Grocery Stores — Greater Washington, DC, Area, 2012–2013
2012年3月に、メリーランド州に住む7歳の少年において、僅かに痛みを伴い辺縁が明瞭で扁平および灰褐色の斑が体幹に発生し、ワシントンDCの皮膚科医により固定薬疹を疑われた。少年は、咳および風邪の治療として、エルサルバドルで生産されたBaczol Antigripalを処方箋なしでメリーランド州にて購入し、服用していた。また、2013年6月には、バージニア州北部に住む14歳の少女に、近所で購入したBaczol製剤が原因と見られる同様の固定薬疹が認められた。Baczol Antigripalの成分にはスルホンアミド系のトリメトプリム/スルファメトキサゾール(TMP/SMX)が含まれているが、TMP/SMXは固定薬疹およびその他の薬物有害反応の原因となることが知られているため、アメリカでは処方なしで合法的に販売することはできない。8月20日に、FDAは英語およびスペイン語で安全警報を公表し、購入者に対しこれらの製品の服用の中止と医療専門家への相談を勧告した。最初の症例を診断した皮膚科医が、メリーランド州のDepartment of Health and Mental Hygieneへ処方箋なしの抗生物質の販売を通知したため、当局は2012年4月にBaczolに関する警告を公表し、FDAはTMP/SMXを含むBaczol製剤の輸入拒否を発令した。このため2013年8月に、Children’s National Medical Centerの職員は、ワシントンDCおよび近隣のエルサルバドル系地区において、食料雑貨品店で購入可能なBaczol製品を調査した。TMP/SMXを含む製品は、19店中7店で発見され、ワシントンDC:3店、バージニア州:1店、メリーランド州:3店であった。TMP/SMXを含有したBaczol製品は3つで、このうちBaczol AntigripalおよびBaczol Expectoranteの2製品はエルサルバドル国内のみの販売となっており、Baczol Expectoranteはエルサルバドルでは処方箋が必要なかった。3番目のBaczol製品は、エルサルバドルの別の製造者により製造された。3製品とも潜在的な副作用について、パッケージに記載はなかった。また、同じBaczol AntigripalおよびBaczol Expectoranteと呼ばれる別の2製品は、TMP/SMXを含まず、処方なしでのアメリカでの販売を掲示しており、適切なNational Drug Code numbersを持っていた。医師は、患者の処方箋なしで購入できる抗生物質の服用に注意し、特に薬物有害反応が疑われる場合は、市販の風邪薬の服用について質問すべきである。
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