ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)全世界における定期予防接種の接種率 ― 2012年
2013/11/01Vol. 62 / No. 43
MMWR62(43):858-861
Global Routine Vaccination Coverage — 2012
WHOが1974年にExpanded Programme on Immunizationを開始して以降、ジフテリア・破傷風・百日咳(DTP)ワクチン3回接種(DTP3)の接種率は1974年の5%から2011年には83%に達したが、全世界の5分の1の小児は未だ生後1年以内の3回目接種を完了していない。2012年5月、World Health Assembly(WHO総会)はGlobal Vaccine Action Planを承認し、2015年までのDPT3の国別接種率90%の達成およびその維持と国内全地域における接種率80%以上の達成を主要指標と定めた。2012年、全世界の乳児(12歳未満)におけるDTP3の推定平均接種率は83%に達した。接種率はWHOアフリカ地域(72%)から西太平洋地域(97%)と地域差があり、加盟国194ヶ国における国別接種率は131ヶ国(68%)が90%以上を達成したが、34ヶ国(18%)は80~89%、13ヶ国(7%)は70~79%、16ヶ国(8%)は70%未満であった。DTP3を生後1年以内に完了していない2,260万人のうち、1,240万人(55%)が3ヶ国(インド: 30%、ナイジェリア: 17%、インドネシア: 7%)の小児であり、国別接種率はそれぞれ72%、41%、64%であった。推定で1,260万人(56%)が一度もDTP接種を受けておらず、約1,000万人(44%)が3回接種を済ませていない。DTP3と同様に予防接種実施率の重要指標であるBCGワクチン、ポリオワクチンの3回目、麻疹含有ワクチン1回目の推定接種率はそれぞれ89%、84%、84%であった。2012年末までに181ヶ国(93%)でB型肝炎ワクチンが定期接種に導入され、同ワクチン3回接種率は全世界で79%となった。同様にインフルエンザ菌b型ワクチン3回接種は184ヶ国(91%)で導入され、インドを除く世界的接種率は45%であった。ロタウイルスワクチンは41ヶ国(21%)、肺炎球菌結合型ワクチンは88ヶ国(45%)で導入されている。低接種率国の問題はワクチン供給、医療従事者の数や知識、政治的経済的支援、あるいは保護者の予防接種に対する態度/知識等様々であり、世界的な接種率の向上のためには各国の実情に沿った対策が必要である。
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