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MMWR抄訳

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2013/10/25Vol. 62 / No. 42

MMWR62(42):829-833
Progress Toward Global Eradication of Dracunculiasis — January 2012–June 2013

メジナ虫症の世界的撲滅への進歩 ― 2012年1月~2013年6月

メジナ虫症(ギニア虫症)は寄生虫Dracunculus medinensisによる疾患であり、汚染した水の摂取から約1年後、感染したヒトの皮膚を破り成虫が現れる。1986年にWorld Health Assembly(世界保健総会:WHA)はメジナ虫症の撲滅を喚起し、世界的なギニア虫撲滅プログラムがWHO、UNICEF、CDCなどの支援を受けて始められた。この時点ではアフリカおよびアジアの約20ヵ国にて毎年約350万人に発症すると推定されていた。WHAは1991年と2004年にそれぞれ1995年、2009年までに世界的撲滅を達成するとの目標を掲げ、いずれも達成されなかったが、目標に向けての進歩は認められている。メジナ虫症の患者数は2011年:1,058例、2012年:542例と49%減少し、2013年1~6月は現在もメジナ虫症が風土病である4ヵ国(チャド、エチオピア、マリ、南スーダン)の28村にて89例が報告された(2012年1~6月は51村にて393例)。国別症例数は南スーダンにて2011年:1,028例、2012年:521例、2013年1~6月:74例(前年同期:389例、81%減)であり、2013年1~6月は全体の83%を占め、うち81%の症例は東エクアトリア州Kapoeta East郡での発症であった。マリでは2011年:12例、2012年:7例、2013年1~6月:4例(前年同期:1例、300%増)、エチオピアでは2011年:6例、2012年:4例、2013年1~6月:6例(前年同期:2例、200%増)、チャドでは2011年:10例、2012年:10例、2013年1~6月:5例(前年同期:1例、400%増)であった。各国にて撲滅プログラムが進められているが、マリでは2012年3月のクーデター後、北部にてプログラムが中断し、サーベイランスも実施できない状況にある。メジナ虫症の撲滅には、依然風土病である地域の住民への教育、飲料水源の汚染除去および安全な飲料水の供給とともにサーベイランスの強化が重要であり、マリでのプログラム中断が解決されれば今後数年内には達成可能であると思われる。

References

  • World Health Assembly. Resolution WHA 39.21. Elimination of dracunculiasis: resolution of the 39th World Health Assembly. Geneva, Switzerland: World Health Organization; 1986. Available at <http://www.who.int/neglected_diseases/mediacentre/WHA_39.21_Eng.pdf.>
  • Watts SJ. Dracunculiasis in Africa: its geographic extent, incidence, and at-risk population. Am J Trop Med Hyg 1987;37:119–25.
  • World Health Organization. Dracunculiasis eradication: global surveillance summary, 2012. Wkly Epidemiol Rec 2013;88:189–200.
  • CDC. Progress toward global eradication of dracunculiasis, January 2011–June 2012. MMWR 2012;61:854–7.
  • Hopkins DR, Ruiz-Tibén E, Weiss A, Withers PC, Eberhard ML, Roy SL. Dracunculiasis eradication: and now South Sudan. Am J Trop Med Hyg 2013;89:5–10.
  • Ruiz-Tiben E, Hopkins DR. Dracunculiasis (Guinea worm disease) eradication. Adv Parasitol 2006;61:275–309.
  • World Health Assembly. Resolution WHA 57.9. Elimination of dracunculiasis: resolution of the 57th World Health Assembly. Geneva, Switzerland: World Health Organization; 2004. Available at <http://www.who.int/gb/ebwha/pdf_files/wha57/a57_r9-en.pdf.>
  • CDC. Renewed transmission of dracunculiasis—Chad, 2010. MMWR 2011;60:744–8.

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