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MMWR抄訳

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2013/10/04Vol. 62 / No. 39

MMWR62(39):805-809
Transmission of Mycobacterium tuberculosis in a High School and School-Based Supervision of an Isoniazid-Rifapentine Regimen for Preventing Tuberculosis — Colorado, 2011–2012

高校における結核菌の伝播と学校を拠点にしたイソニアジド/リファペンチンレジメンによる結核予防の監視 ― コロラド州、2011~2012年

2011年12月下旬、コロラド州ロングモントの高校(生徒および関係者数1,381名)に在籍する高校生が2ヶ月に及ぶ咳、発熱、夜間の発汗を主訴として来院し、胸部X線撮影所見と喀痰中に結核菌が検出されたことから、肺結核と診断された。標準的な4剤併用レジメンにて治療し、2012年9月に治療を終えた。本例との接触者を調査し、室内で一緒に過ごした時間が長い接触者から検査を行った。家族5名はインターフェロンγ遊離試験(IGRA)にて全員陽性となり、1例は培養にて泌尿生殖器結核と確定された。2例目は結核疑いとして4剤併用レジメンによる治療2ヶ月後、潜在性結核感染症(LTBI)と確定された。残り3例もLTBIで、結核予防のためリファンピンを4ヶ月投与された。1例目の生徒の教師6名および複数の授業を共に受講した生徒13名(計19例)中、IGRAにより10例がLTBIと診断され、1授業のみを共に受講した生徒140名のうち1例が結核と診断されたが、2ヶ月間の4剤併用治療後にLTBIとなり、さらに49 例(35%)がLTBIと診断された。校内における伝播が確認されたことから、上記以外の全校生徒および学校関係者1,222名中1,090名(89.2%)について検査を実施した。1例が胸部X線にて肺結核と診断(喀痰培養検査陰性)、102例(8.3%)がLTBIと診断された。1,381名中1,249名(90.4%)が検査を受け、1例が肺結核、162例(13%)がLTBIと診断され、4剤併用治療後にLTBIと確定した1例を除いた161例中、159例(99%)がLTBI治療を開始した(イソニアジドを9ヶ月間3例、リファンピンを4ヶ月間91例、学校管理下で週1回のイソニアジド+リファペンチン併用を12回65例)。そのうちイソニアジド3例(100%)、リファンピン88例(97%)、イソニアジド+リファペンチン併用61例(94%)が治療を終えた。コロラド州およびデンバー市郡、ボルダー郡の専門家たちが協力し、学校における面談調査および検査に労働量にして885人・時間、LTBI治療の投薬管理に890人・時間が投入された。2012年12月に学校外接触者19例中1例が培養検査結果陰性であったが結核性胸膜炎を発症し、2例のLTBIが判明した。2013年に州外移転者1例で培養検査により結核と診断された。2013年7月現在、コロラド州において本例関連による新たな感染例は報告されていない。

References

  • American Thoracic Society. Diagnostic standards and classification of tuberculosis in adults and children. Am J Respir Crit Care Med 2000;161:1376–95.
  • CDC. Updated guidelines for using interferon gamma release assays to detect Mycobacterium tuberculosis infection—United States, 2010. MMWR 2010;59(No. RR-5).
  • CDC. Targeted tuberculin testing and treatment of latent tuberculosis infection. MMWR 2000;49(No. RR-6).
  • CDC. Guidelines for the investigation of contacts of persons with infectious tuberculosis: recommendations from the National Tuberculosis Controllers Association and CDC. MMWR 2005;54(No. RR-15).
  • Wallgren A. The time-table of tuberculosis. Tubercle 1948;29:245–51.
  • CDC. Recommendations for use of an isoniazid-rifapentine regimen with direct observation to treat latent Mycobacterium tuberculosis infection. MMWR 2011;60:1650–3.
  • CDC. Crisis and emergency risk communication. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2012. Available at <http://emergency.cdc.gov/cerc.>

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