ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)最終的な届出伝染病の症例数と暫定的報告数の比較 ―・・・
2013/09/13Vol. 62 / No. 36
MMWR62(36):747-751
Comparison of Provisional with Final Notifiable Disease Case Counts — National Notifiable Diseases Surveillance System, 2009
州は届出伝染病の症例をNational Notifiable Diseases Surveillance System(NNDSS)を介してCDCへ報告し、これによりCDCは公衆衛生活動の支援および管轄地域の境界を越えた全国的な感染症の監視を行うことができる。Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)は、感染症発生に関するデータの普及に利用されている。毎週の届出状態の過大または過少報告の拡大は、伝染病制御に必要である疾患の負担、分布、傾向の変化の公衆衛生の理解に影響を与える。特定の疾患の報告は州または地方レベルで指定されており、州、Council of State and Territorial Epidemiologists(CSTE)、CDCはこれらの管轄地域からNNDSSへ提出されるデータのための方針および手順を構築している。州は、国内の届出伝染病の症例の報告をCDCに週1回の頻度で報告し、CDCへ報告されMMWRに公表された毎週の症例は、暫定的と考えられる。NNDSSデータベースは、最新情報を利用できるように、年中無休で州の情報更新を許可している。最終の症例数は、データベースを閉鎖後に精査され、州の疫学者の承認を経て、「届出伝染病のMMWRサマリー-アメリカ」に公表される。感染症の暫定的症例数と最終症例数間の相違を定量することは、NNDSSからの情報を利用する際に役立つと考えられる。CDCは、2010年1月8日付のMMWRに公表された2009年の累積症例数と、2010年8月20日付のMMWRに公表された2009年のNNDSSの最終データ(2010年6月のカットオフデータ)における症例数を、67疾患について比較した。最終症例数は暫定的症例数と比較して5疾患で低下し、3疾患では同等であったが、59疾患で上回った。最終症例数と暫定的症例数間の差の中央値は16.7%で、差が20%以上は39疾患、50%超は12疾患であった。10症例以上の報告があった疾患間で、最終症例数が暫定的症例数を下回ったのは4疾患[5歳未満で血清型不明の侵襲性ヘモフィルスインフルエンザ疾患(166 vs 218)、急性C型肝炎(782 vs 844)、連鎖球菌以外の毒素性ショック症候群(74 vs 76)、インフルエンザに関連した小児の死亡(358 vs 360)]であった。症例の最終数と暫定数間の差のパーセンテージが最も大きかったのは、ウエストナイルウイルス(neuro/nonneuro)(720 vs 0)、おたふく風邪(1991 vs 982)、ハンセン病(103 vs 59)であった。これらの差は、程度の差はあるが様々な疾患で生じ、すべての州で認められた。例えば性器感染症のクラミジア・トラコマチス感染の最終症例数は、暫定的症例数と比べ全国的には13.1%高かったが、2%未満の差で低い州、20%以上高い州もあり、アーカンソー州およびノースカロライナ州では暫定的症例は報告されなかったが、最終数は各14,354人および41,045人であった。したがって、暫定的症例数の報告は適時性が特徴であるが、報告過程も踏まえ慎重に解釈する必要がある。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.