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MMWR抄訳

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2013/09/13Vol. 62 / No. 36

MMWR62(36):744-746
Influenza Vaccination Practices of Physicians and Caregivers of Children with Neurologic and Neurodevelopmental Conditions — United States, 2011–12 Influenza Season

神経疾患および神経発達障害児の医師および介護者におけるインフルエンザ予防接種の実施状況 ― アメリカ、2011~2012年インフルエンザシーズン

認知機能障害、発作性疾患(てんかん)、その他神経疾患は、インフルエンザウイルス感染症合併のハイリスクと関連する。2009年のインフルエンザパンデミックでは、336例の小児が死亡し、うち146例には神経疾患があり、主に、知的障害(76%)およびてんかん(51%)であった。神経疾患および神経発達障害(NND)の小児の家族および医療提供者間のインフルエンザ関連の知識および予防接種の実施状況を調査するために、CDCはFamily Voicesおよび、American Academy of Pediatricsと協力して20011~12年のインフルエンザシーズン間に両親および医師を対象に調査した。2011年の9月6日~10月24日にFamily Voicesのリストサーブのメンバーを対象にオンライン上で調査を実施し、両親または介護者に対し、子供へ季節性インフルエンザワクチンを受けさせることに関し、知識、考え方、実施状況を質問した。接種率は、既に接種を済ませた、または接種の予定がある小児の数を回答者数で割って算出した。また、インフルエンザの合併症のハイリスクの小児(特に神経障害)に医療を提供するプライマリケアおよび専門の医師をAmerican Academy of Pediatricsの専門分野のリストサーバーを介して募集し、2011年3月7から5月15日に、オンライン上で調査を実施した。診療所の環境、専門性、様々な患者集団に対するワクチン接種診療に関する基本的情報について質問し、回答者に対し、どのような慢性的な医学的状態がインフルエンザからの重大な疾患のリスクの増加に関連するかも質問した。ハイリスクに該当した小児は1940人、ハイリスクでのインフルエンザ接種率の範囲は41%(代謝障害)~78%(慢性肺疾患)であった。NND障害1005人では接種/接種予定率は50%で、知的障害(52%)およびてんかん(59%)の接種率は低かった。すべての回答者間で、一般的なワクチンおよびインフルエンザワクチンについての情報源は、医療提供者(75%)の頻度が最も高率で、ワクチン接種をした小児の両親では未接種と比べ、情報源として医療提供者を利用した割合が高かった(80% vs 64%)。情報源としてのインターネット(24%)および家族支援または身体障害者支持組織(22%)の利用率は低く、接種と未接種間で差はなかった。ハイリスクに関する質問を回答した医師は393人で、知的障害(46%)およびてんかん(52%)に対するハイリスクの認識は低かった。一方、NDD障害の小児の外来診療を頻繁に行う可能性のある医師(プライマリケアの小児科医、神経科医、遺伝学者、発達小児科医、リハビリテーション医)では他の小児科の医師と比べ、脳性麻痺(79% vs 63%)、てんかん(57% vs 39%)、脊髄障害(76% vs 60%)、脳卒中(63% vs 41%)、その他の脳障害(62% vs 44%)をハイリスクとして有意に多く指摘した。医師は、インフルエンザ合併症のリスクの上昇およびワクチン接種による予防の重要性をNND障害の小児の両親に教育するための重要な立場あるため、医師の認識の改善の努力がかかせない。これらの家族および医療提供者間のインフルエンザ予防接種の障壁を確認するために、さらに研究が必要である。

References

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