ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)移動ランチトラックから購入した食品に関連したSal・・・
2013/07/19Vol. 62 / No. 28
MMWR62(28):567-569
Salmonella Enteritidis Infections Associated with Foods Purchased from Mobile Lunch Trucks — Alberta, Canada, October 2010–February 2011
2010年10月~2011年2月にカナダのアルバータ州では91件のSalmonella Enteritidis(SE)感染アウトブレイクが発生し、地域の保健所(Alberta Health Services, Calgary Zone)が調査を実施した。発端患者は職場で移動食品販売車(ランチトラック)から購入した食品を飲食しており、詳細な調査の結果、ランチトラックおよびその他のベンダーに食品を供給したケータリング会社が関連したとみなされた。85の症例では、発症7日前にケータリング会社により調理された食品を飲食したと報告し、6例はケータリング会社の従業員であった。発症時の年齢中央値は32歳(19~68歳)、男性は76%であった。報告された症状は、下痢(96%)、腹部疝痛(85%)、発熱(52%)、 出血性下痢(33%)、嘔吐(25%)で、ケータリング会社従業員の2例は、無症候性でスクリーニング検査により感染が判明した。6例(7%)が入院した。患者から分離されたSE株は、ファージ型8型(49例、54%)、13型(32例、35%)、非定型(10例、11%)であった。患者が飲食した食品のうち、報告が多かったのは、朝食の卵サンド(38%)および豚肉の団子(24%)であった。地域の担当官が営業中の54のランチトラックを査察した結果、すべての食品は包装済みで、腐りやすいものは冷蔵保存または車中で再加熱していた。また、無認可の食品施設からの食品の販売および以前に調理した食品の不適切な再加熱などの違反行為も認められた。ランチトラックの仕入れ先として7つのケータリング会社が特定され(定期的な査察は受けていたが)、追跡の結果、感染に関与したケータリング会社から採集した2検体で、SE陽性であった。検体1は、生および冷凍の肉団子をケータリング会社が調理後に包装し(SEファージ型13)、検体2はバケツに調整した卵液(SEファージ型8)であった。ケータリング会社では14人の従業員中6例の便検体からSEが検出された。食品は、違法な供給源からのSEに汚染された卵の使用およびSEに感染した従業員により、直接的または間接的に汚染されたと考えられた。Medical Officer of Healthの命令により、感染した従業員を非感染性になるまで食品の取り扱い作業から排除し、従業員に対し、安全な食品取り扱い手順について教育した。介入後では、新たなアウトブレイクは発生しなかった。以上より、食中毒の原因としてランチトラックの重要性が認識され、ランチトラックおよび食材メーカーの法規制の順守の監視が必要である。
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