ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)進行中のデング熱流行
-アンゴラ共和国、20・・・
2013/06/21Vol. 62 / No. 24
MMWR62(24):504-507
Ongoing Dengue Epidemic — Angola, June 2013
2013年4月1日に、アンゴラ共和国の公衆衛生総局はデング熱の6症例がアンゴラの保健省(MHA)へ報告されたと発表した。アンゴラ共和国ではデング熱を含む急性熱性疾患の日常的な調査が完全に確立していないため、致死性および非致死性の症例は実際の数よりも過小評価している可能性ある。臨床医の報告では、非マラリア性の急性熱性疾患は2013年1月後半より増加し始めた。デング熱はデングウイルス(DENV)の非構造タンパク質1および抗DENV IgMを検出する迅速診断テスト(RDT)により鑑別診断され、最初に報告されたRDT陽性の症例は3月1日に発症した。4月早期よりRDT陽性および陰性の症例は顕著に増加し、5月31日現在で、デング熱を疑われる症例は総計517例報告された。RDTの結果、1例の死亡を含む313検体(60.5%、0.8~77歳、中央値:25歳、男性:59.9%)はデング熱陽性であった。マランジェ州からの2例を除き、デング熱が疑われる症例はすべてルアンダ州の症例であった。49検体(RDT陽性:43例、RDT陰性:6例)について、CDCのデング熱部門において、リアルタイムRT-PCR(rRT-PCR)法および抗-DENV IgMに対する免疫アッセイにより再診断したところ、RDT陽性検体の100%およびRDT陰性検体の50%で、DENV感染が確認された。rRT-PCRでは、DENV-1のみが検出された。系統発生解析により、このウイルスは少なくても1968年から地域を循環しており、デング熱がアンゴラ共和国の風土病であることが強く示唆された。蚊の生息に関する世帯調査はルアンダで実施され、調査した3,103のコンテナのうち、23.3%に蚊のコロニーを認めた。大半のコロニーは屋内の蓋のしていない水の保存容器で形成され、優勢種はネッタイシマカ(<i>Aedes aegypti</i>)であった。アンゴラ共和国ではデング熱に対する一般の認識が低いため、公共保健機関のメッセージとしては、デング熱の症状および重症疾患の警告兆候、蚊の駆除に焦点が絞られる。医師および公衆衛生関係者は、デング熱がアンゴラ共和国および多くのアフリカ諸国の風土病であることを認識することが必要であり、タイムリーな治療開始が救命のために重要である。医師は急性の熱性疾患を呈したアフリカからの最近の帰国者についてはDENV感染を疑い、疑わしい症例は公共の保健機関へ報告すべきである。
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