ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)治療前および治療中の宿泊所におけるコウモリへの曝露・・・
2013/05/17Vol. 62 / No. 19
MMWR62(19): 382-384
Assessment of Risk for Exposure to Bats in Sleeping Quarters Before and During Remediation - Kentucky, 2012
コウモリはアメリカにおいて最も一般的なヒトへの狂犬病感染源であり、最後の死亡例は1996年、ケンタッキー州にて報告されている。2012年7月28日、Kentucky Department for Public Health (KDPH)は、州東部にあるボランティア施設に200~300羽のオオクビワコウモリの生息を確認、施設のボランティアおよびスタッフにコウモリへの曝露の危険性があると判断し、そのリスク評価が行われた。この施設には宿泊所があり、2012年、宿泊した273名のボランティア/スタッフのうち、257名(94%、13~87歳)の評価が完了した。宿泊施設では7月19~24日の間にコウモリが13回目撃され、48名(19%)が眠っている間にコウモリに曝露した可能性があり、3名が高リスク、13名が中リスクと判断され、曝露後予防(PEP)を勧められた。コウモリに素手で触れた4名は全員男性であり、コウモリに噛まれたり引っ掻かれたりした人はいなかった。高リスク全員と中リスクの3名がPEPを受けた。それ以外にも低リスクの1名がPEPを受けたため、PEPを勧められなかった低リスクの32名を無作為に抽出したところ、29名が回答、うち5名が医師の診察を受けていたがPEPは受けていなかった。稀にコウモリへの曝露から1年以上経過して発症する場合もあるため、2011年の当該宿泊施設利用者にコウモリへの曝露が疑われる場合は診察を受けるよう通知を発送した。今回の調査では、この宿泊施設の利用者における狂犬病の発症は認められていない。
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