ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)精製タンパク誘導体ツベルクリン製品の全国的な不足
2013/04/26Vol. 62 / No. 16
MMWR62(16): 312(312
National Shortage of Purified-Protein Derivative Tuberculin Products
Tubersol(サノフィパスツール社、以下サ社)は、少なくとも2013年5月末まで全国的に供給不足である。TubersolはFDAにより認可された精製タンパク誘導体ツベルクリン(PPD)の2製品のうちの1つで、サ社はCDCにTubersolの50回投与-バイアルが2013年5月末まで供給できない見込みであることを通知した。10回投与-バイアルの生産は回復中であるが、サ社との直接的な交渉によってのみ利用可能である。もう一方のPPD製品のAplisolを生産するJHP Pharmaceuticals社は、FDAに対し、限定された数量でのみ供給できることを通知している。医療機関がTubersolからAplisolへ切換えたことに伴い、急激で局地的なAplisolの不足が報告されているが、Aplisolの不足は、正規の販売ネットワークにおいてTubersolの供給が回復することにより減少すると思われる。結核菌感染を検出するための免疫学的手法には、ツベルクリン皮膚反応(TST)およびインターフェロン-γ放出アッセイ(IGRA)血液検査の2つがある。これらの試験は潜在的な結核菌感染を検出する唯一の方法であり、結核(TB)疾患診断に寄与している。胸部X線、喀痰の核酸増幅テスト、マイコバクテリア琶養などの所見がTBの確認および除外に十分である場合は、TSTまたはIGRA血液検査は必要ないかもしれない。TSTまたはIGRA陰性でもTB感染の可能性は除外できないが、アメリカでTBと診断される患者の大半は陽性である。TB疾患が強く疑われる場合は、TSTまたはIGRA血液検査の結果にかかわらず、治療を開始するべきである。比較試験では、Tubersol とAplisol によるTSTの結果の一致度は高かったが、TSTとIGRA血液検査間と市販されているIGRA血液検査の2製品間における結果の一致度は低かった。CDCはTST抗原の不足に対する取り組みとして、(1)TSTの代わりにIGRA血液検査を使用、(2)優先的適応へのTSTの割り当て、(3)皮膚テストにおいてTubersolの代わりにAplisolを使用、のいずれかを推奨している。製品または測定方法の切換えは、結果の解釈を困難にする可能性がある。TB曝露の可能性が低い環境では、定期的な検査の延長を公共の保健機関および労働衛生機関と協議して考慮すべきである。
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