ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)結核の動向-アメリカ、2012年
2013/03/22Vol. 62 / No. 11
MMWR62(11): 201-205
Trends in Tuberculosis - United States, 2012
2012年にアメリカで新規に発症した結核は9,951例報告され、10万人あたりでは3.2例の発生率であった。これは、2011年に報告された発生率よりも6.1%低下し、20年間連続して低下している。2010~2012年では、3,143の郡および郡相当地域のうち1,388(44.2%)で新規発症が報告されなかった。2012年にCDCのNational Tuberculosis Surveillance Systemに報告された暫定的な調査では、外国生まれの人の結核発症率はアメリカ生まれの人よりも11.5倍高かった。2012年の外国生まれの人の結核発症は6243例(国籍が既知の症例の63.0%)で、出生国は、メキシコ:20.9%、フィリピン:12.3%、インド:8.5%、ベトナム:7.2%、中国:5.6%であった。また、結核発症率は非ヒスパニック系白人と比べ非ヒスパニック系アジア人では25.0倍、ヒスパニックでは6.6倍、非ヒスパニック系黒人では7.3倍であった。各州の結核発症率(10万人あたり)はさまざまで、ウェストバージニア州では0.4であったが、アラスカ州では9.0(中央値2.3)であった。2012年では、結核症例の>80%でHIV状態の結果が報告され、HIV陽性は7.7%であった。15歳以上の結核症例では過去1年以内に、住居状態がわかっている5.6%でホームレスであり、12.1%で過度のアルコール摂取があった。また、結核診断時に4.2%が矯正施設に収容されていた。2011年に報告された多剤耐性結核(MDR TB)は127例であった。イソニアジドおよびリファンピンに対する薬剤感受性が試験された症例のうち、MDR TBの割合は2011年(1.6%)では2010年(1.3%)よりも増加した。2011年において、MDR TBの割合は、過去に結核の既往のない症例では1.3%、結核の既往がある症例では8.2%であった。MDR TBの127例のうち、外国生まれの人は109例(85.8%)であった。2012年では、広範囲な薬剤耐性結核が1例報告されている。CDCの結核撲滅の目標(100万人あたり1症例未満)達成のためには、結核の啓蒙、潜在的な感染/疾患の検査および治療の強化が、特に外国生まれおよび人種/民族的マイノリティの集団で必要である。
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