ホームIMICライブラリMMWR抄訳2012年(Vol.61)最新情報:インフルエンザ発生状況-アメリカ、201・・・
2012/12/07Vol. 61 / No. 48
MMWR61(48):990-993
Update: Influenza Activity - United States, September 30-November 24, 2012
アメリカにおける2012年9月30日~11月24日のインフルエンザ発生状況を報告する。この期間中、アメリカでは呼吸器40,716検体が検査され、3,573検体(8.8%)がインフルエンザウイルス陽性であり、このうち2,287検体(64%)がインフルエンザA型、1,285検体(36%)がインフルエンザB型であった。サブタイプを検討したインフルエンザA型1,374株のうち1,342株(98%)がA(H3)ウイルス、32株(2%)がA(H1N1)pdm09(pH1N1)ウイルスであった。2012-13年インフルエンザシーズンの初めてのインフルエンザA(H3N2)変異ウイルス(H3N2v)感染例が、11月24日の週にアイオワ州から報告された。本症例は発症前にブタや他の家畜との接触歴がなかった。2012-13年シーズンに分離されたインフルエンザウイルス140株について抗原性を検討した結果、pH1N1ウイルス2株とA(H3N2)ウイルス90株は全て2012-13年インフルエンザAワクチン成分[A/California/7/2009様(H1N1)、A/Victoria/361/2011様(H3N2)]と関連しており、インフルエンザBウイルス48株のうち34株(71%)はB/Yamagata系統に属し2012-13年北半球インフルエンザワクチンのインフルエンザB成分であるB/Wisconsin/1/2010様の特徴を有し、14株(29%)はB/Victoria系統に属していた。2012年9月30日以降に抗ウイルス薬耐性を検討したインフルエンザウイルス205株[pH1N1:2株、インフルエンザA(H3N2):122株、インフルエンザB:81株]は、全てオセルタミビルとザナミビルに感受性を示した。2012年9月30日以降のインフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診率は1.2%~2.2%であり、2012年11月24日の週にILIによる外来受診率は全国基準値(2.2%)と同等になった[1997-98年シーズン~2011-12年シーズンのピーク(2009-10年パンデミックシーズンを除く):2.4%~7.6%]。州別のインフルエンザ発生状況として、11月24日の週に4州は広範囲、7州は地域的、19州は局所的、18州とワシントンDCは散発的なインフルエンザ発生状況を報告した。2012年9月30日以降の肺炎およびインフルエンザ(P&I)関連死亡率は5.8%~6.7%であった(流行閾値6.7%、過去5シーズン7.9%~9.1%)。2012年11月24日現在、2012-13年シーズンのインフルエンザ関連の小児死亡は2例報告されており、1例はインフルエンザAウイルス、1例はインフルエンザA(H3N2)ウイルスの感染者であった(2011-12年シーズンのインフルエンザ関連の小児死亡34例、2010-11年シーズン122例、2009年パンデミック348例)。
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