ホームIMICライブラリMMWR抄訳2012年(Vol.61)グリル清掃用ブラシの針金製の毛の摂取による損傷-ロ・・・
2012/07/06Vol. 61 / No. 26
MMWR61(26):490-492
Injuries from Ingestion of Wire Bristles from Grill-Cleaning Brushes - Providence, Rhode Island, March 2011-June 2012
異物の摂取(特に小児)は、救急診療部(ED)の受診理由として一般的である。2009年7月~2010年11月、あるホスピタルシステム(2ヶ所のEDが加入)にグリル清掃用ブラシの針金製の毛の故意でない摂取による内部組織損傷6例が報告された。この報告は、同じホスピタルシステムにおいて2011年3月14日~2012年6月3日に同定されたグリル清掃用ブラシが関連した別の内部組織損傷6例を報告する。新たに同定された6例(男性5例、女性1例、31~64歳)は、以前報告された患者と同様に屋外で家庭用グリルによる調理を行っており、市販の針金製グリル清掃用ブラシを使用していた。全例でブラシの毛は最初に頸部のX線像あるいは腹部/骨盤部のCT像で異物として同定され、除去後にブラシの毛と判明した。6例中3例は嚥下時の重度疼痛を主訴とし、これら全例で頸部にブラシの毛が確認された。3例とも喉頭鏡下で異物除去に成功した。他の3例は重度の腹痛を主訴とし、2例は大網、1例はS状結腸内にブラシの毛が存在した。消化管穿孔がみられた2例は緊急手術を行い、針金が腸を穿通していなかった1例は結腸鏡下で異物を除去した。医師がブラシに関連した内部組織損傷を意識することは、タイムリーな診断と治療に重要である。また一般市民やグリル清掃用ブラシの製造業者、これら製品を販売する小売業者がこの損傷を意識することは、さらなる損傷発生の予防につながる可能性がある。さらにグリルでの調理前には、グリルの表面に異物がないかどうか注意深く観察する必要がある。
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