ホームIMICライブラリMMWR抄訳2012年(Vol.61)2つの刑務所におけるインフルエンザアウトブレイク-・・・
2012/04/06Vol. 61 / No. 13
MMWR61(13):229-233
Influenza Outbreaks at Two Correctional Facilities - Maine, March 2011
2011年3月5日、メイン州の刑務所A(収容者数916、職員数410)にて55歳の男性が重度の呼吸器疾患を来し、RT-PCR法にてインフルエンザA(H1N1)pdm09陽性が認められた。7日には刑務所B(収容者数222、職員数65)にて29歳男性が急性進行性呼吸器症状を示し、8日に死亡、RT-PCR法にてインフルエンザBが検出された。9日、Correctional Medical Services (CMS)はメイン州のCenter of Disease Control Prevention(CDC)に、刑務所Aにて約40名、刑務所Bにて数名が呼吸器症状を来したと報告した。10日、CMSはメイン州CDCの援助を受けて刑務所AおよびBに仮の医療施設を設置し、インフルエンザ様疾患(ILI:咳および/または喉の痛みを伴う37.8℃以上の発熱)を示す症例に対し、オセルタミビル(75mg、1日2回×5日間)の投与を行い、その他には予防的投与(75mg、1日1回×10日間)を行った。刑務所Aでは3月10~11日、802名の囚人のうちILI症状を示した17名(2.1%)にオセルタミビルを投与、648名(80.8%)に予防的投与を行い、ワクチン接種は333名に行った。ILI 17例のうち9例(24~57歳)にインフルエンザ検査を行った結果、6例がインフルエンザA陽性を示した。また、職員184名のうち68名(37%)にワクチンを接種、16名(8.7%)にオセルタミビルを投与、166名(90.2%)に予防的投与を行った。刑務所Bでは193名の囚人のうちILI症状を示した4例(2.1%)にオセルタミビルを投与、184名(95.3%)に予防的投与を行い、ワクチン接種は88名に行った。インフルエンザ検査は2例にて実施、1例がインフルエンザB陽性を示した。職員51名のうち13名(25%)にワクチンを接種、9名(17.6%)にオセルタミビルを投与、42名(82.4%)に予防的投与を行った。今後、刑務所ではインフルエンザの予防接種を全ての囚人と職員に行い、呼吸器のエチケットについて教育するとともに、予防接種の状態を把握するための書類を作成すべきである。
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