ホームIMICライブラリMMWR抄訳2011年(Vol.60)若年黒人同性愛男性におけるHIV新規診断例の増加-・・・
2011/02/04Vol. 60 / No. 4
MMWR60(4):99-102
Increase in Newly Diagnosed HIV Infections Among Young Black Men Who Have Sex with Men - Milwaukee County, Wisconsin, 1999-2008
2001~2006 年の間に、13~24歳の黒人男性同性愛者(MSM)におけるHIV診断例は国内33州において93%増加し、ウイスコンシン州ミルウォーキー郡では 15~29歳の黒人MSMにおけるHIV診断例が144%増加したと報告されている。CDC、Wisconsin Division of Public Health (WDPH)およびMilwaukee Health Department (MHD)は1999~2001年の調査データと、WDPHによるHIV検査が強化された2006~2008年のデータを比較し、黒人MSMにおける HIV診断の傾向を分析した。その結果、1999~2001年から2006~2008年にかけて、黒人MSMにおけるHIV診断例は15~19歳にて 143%、20~24歳にて245%、25~29歳にて78%増加し、非黒人MSMにおけるHIV診断例は20~24歳にて14%、25~29歳にて 45%の増加にとどまり、30歳以上では黒人にて40%、非黒人にて1%減少していた。WDPHによるHIV検査の強化は2006年より開始され、 15~19歳、20~24歳、25~29歳の黒人MSMにおいて、検査を受けた症例はそれぞれ329、372、90%増加し、非黒人MSMではそれぞれ 57、44、63%の増加であった。検査を受けた症例におけるHIV陽性率は黒人MSMにおいて15~19歳にて98.3%、20~24歳にて 143.7%増加し、25~29歳では7.9%減少、非黒人MSMの25~29歳にて39.9%増加していた。15~19歳、20~24歳、25~29歳の黒人MSM HIV新規診断例において、検査を受けた症例はそれぞれ11.8%、5.3%、6.3%に過ぎなかった。また、梅毒と診断された症例は2005年より増加し、1999~2001年と2006~2008年で比較した場合、15~29歳の黒人MSMにて1から19例、非黒人MSMにて0から4例に増加していた。以上、ミルウォーキーにおけるHIV感染の増加は同じ性感染症である梅毒の増加と一致しており、性行為に関する危険の認識不足が示唆されることから、若年黒人MSMに対する感染予防に関する教育と早期診断および早期治療介入の必要性が明らかになった。
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