ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ、2010年・・・
2010/12/24Vol. 59 / No. 50
MMWR59(50): 1651-1655
Update: Influenza Activity - United States, October 3-December 11, 2010
アメリカにおける2010年10月3日~12月11日のインフルエンザ活性の概要を報告する。この期間中アメリカでは42,497の気道検体が検査され、 2,807検体(6.6%)がインフルエンザウイルス陽性、このうち1,598検体(57%)がインフルエンザA型、1,209株(43%)がインフルエンザB型であった。サブタイプを検討したインフルエンザA型805株のうち679株(84%)がインフルエンザA(H3)ウイルス、126株(16%)が 2009年インフルエンザA(H1)ウイルスであった。2010-11シーズンに分離されたインフルエンザウイルス89株[2009年 A(H1N1):13株、A(H3N2):26株、B:50株]の抗原性を検討した結果、全てのウイルスは2010-11インフルエンザワクチンの成分と抗原的に関連していた[A/California/7/2009様(H1N1)、A/Perth/16/2009様A(H3N2)、B/Brisbane /60/2008様]。10月1日以降に抗ウイルス薬耐性を検査した104株[2009年A(H1N1):17株、A(H3N2):33株、B:54株] は、全てオセルタミビルとザナミビルに感受性を示した。11月~12月に新たなインフルエンザAウイルス感染症として豚インフルエンザA(H3N2)の感染例が3例報告された(全例が回復)。このウイルスのヒトからヒトへの伝播のエビデンスは最初の2例ではみられず、3例目は現在調査中である。12月11 日の週には4州とプエルトリコが地域的、20州が局所的、21州とワシントンDC、U.S. バージン諸島が散発的なインフルエンザ活性を報告し、5州とグアムはインフルエンザ活性の報告がなかった。10月3日以降の1週間のインフルエンザ様疾患 (ILI)による外来受診率は1.1~1.9%であり、全国基準値(2.5%)未満であった。Aggregate Hospitalization and Death Reporting Activity(AHDRA)システムのデータによると、10月3日~12月11日には検査確定インフルエンザ関連入院患者497例、検査確定インフルエンザ関連死亡者12例の報告があった。またこの期間中の各週における肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は6.0~7.0%であり、流行閾値未満を維持した。検査確定インフルエンザ関連死小児は2010-11シーズン中2例(5歳未満)報告され、1例はインフルエンザA(H3)ウイルス、他の1例はサブタイプ不明のインフルエンザAウイルスが関連していた。
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