ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)汚染された輸入黒コショウ・赤トウガラシを含むサラミ・・・
2010/12/24Vol. 59 / No. 50
MMWR59(50):1647-1650
SalmonellaMontevideo Infections Associated with Salami Products Made with Contaminated Imported Black and Red Pepper - United States, July 2009-April 2010
2009 年8月と9月、PulseNet(食品由来疾患サーベイランスのための全国分子サブタイピングネットワーク)は複数の州でパルスフィールドゲル電気泳動 (PFGE)パターンの一致するSalmonellaMontevideo感染症の患者集団の存在を発見した。PulseNetはこのパターンを持つSalmonellaの分離数が2009年11月から増加していることを認め、CDCと協力して調査を開始した。この報告は、その調査結果をまとめたものである。2009年7月1日~2010年4月14日に44州とワシントンDCで272例(年齢範囲:1未満~93歳、中央年齢値:37歳、女性:53%)がSalmonellaMontevideo感染症を発症した。入院率は26%で、死亡例の報告はなかった。2009年12月16日~2010年1月14日に実施した8州の Salmonella感染症16例を対象としたインタビューにおいて、12例(75%)がイタリアンスタイルの食肉製品(9例はサラミ)を発症前の週に食べており、9例は全国的な倉庫型小売チェーンでその食品を購入していたことが明らかになった。また倉庫型小売チェーンの会員カード記録を用いて感染患者が購入した食品に関する情報を収集して分析したところ、患者の多くは発症前にA社のサラミ製品を食べていた。さらに2010年1月16日~20日に実施された20州のSalmonella感染症43例と近隣に住む対照43例を対象とした症例対照研究において、サラミの摂食と疾患との関連が確認された。患者の自宅に残っていたA社のサラミ製品、A社の研究所の環境検体、A社のサラミ製品の製造に使用された黒コショウと赤トウガラシの密封容器でアウトブレイク株が検出され、サラミの加工後にまぶされた黒コショウと赤トウガラシがSalmonellaに汚染されていたと考えた。2010年1月23日にA社は自発的に調理済みサラミ製品の回収を開始し、その後香辛料の会社も黒コショウと赤トウガラシの回収を開始した。香辛料は食品由来Salmonellaアウトブレイクの原因となることがあるため、生の香辛料を用いた調理済み食品の加工後汚染を防止することが重要である。消費者の購入情報を管理するための会員カードや顧客カードは、特定の食品摂取と患者を関連づける有用なツールとなる可能性がある。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.