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MMWR抄訳

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2010/10/22Vol. 59 / No. 41

MMWR59(41):1335-1339
HIV Transmission Through Transfusion - Missouri and Colorado, 2008

輸血によるHIV伝染-ミズーリ、コロラド州、2008年

アメリカでは1982年、輸血ドナーのHIV感染によるレシピエントへのHIV伝染が報告され、その後、ドナーに対する問診やスクリーニング検査が行われるようになり、ほぼそのリスクは排除されている。現在、2007~2008年データによると、輸血によるHIV感染リスクは150万分の1となっているが、今回、2002年以降初めて、輸血によるHIV感染がCDCに報告された。ミズーリ州の血液センターにおいて、2008年11月に検査した血液成分が HIV検査陽性であることが判明し、遡及調査が実施された。このドナーはミズーリ州の血液センターにおいて繰り返し血液を提供しており、直近の提供は 2008年6月であった。この時点ではHIV感染のリスク因子は認められず、EIA、MP-NAT法による全血のスクリーニング検査も陰性であり、血液成分が2名のレシピエントに輸血された。2008年11月、このドナーが再度献血に訪れた際、問診ではHIVリスクはないと申告したが、EIA、MP- NATおよび間接的免疫蛍光アッセイによるHIV検査が陽性であったため、採取した血液は全て破棄された。その後、2009年4月、Missouri Department of Health and Senior Services (MDHSS)にてドナーに対し問診および検査が行われ、妻以外に不特定の男性、女性と性交していたことが判明した。2008年6月にこのドナーから採取した濃縮赤血球は7月、アーカンソー州にて心臓手術時に、新鮮凍結血漿は8月、コロラド州にて腎移植時にそれぞれ輸血された。アーカンソー州のレシピエントは手術の2日後に心疾患のため死亡したが、コロラド州のレシピエントはMDHSSからの報告を受けて12月にHIV検査が行われ、血漿HIV RNAウイルス量が7,240 copies/mL、CD4細胞は48/μLと激減していたことから、抗レトロウイルス療法が開始された。2009年6月にはHIV RNAは検出限界以下となり、CD4細胞は88/μLに回復した。このような輸血によるHIV感染のリスクは現在では極めて低いがゼロではないことから、その危険性を認識すべきである。

References

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