ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)最新情報:肺炎桿菌におけるVerona integ・・・
2010/09/24Vol. 59 / No. 37
MMWR59(37):1212
Update: Detection of a Verona Integron-Encoded Metallo-Beta-Lactamase in Klebsiella pneumoniae- United States, 2010
2010 年7月、CDCにアメリカでは腸内細菌類(enterobacteriaceae)での報告がないVerona integron-encoded metallo-beta-lactamase(VIM)を産生するカルバペネム耐性肺炎桿菌に感染した症例が報告された。この症例はアメリカの女性で、地中海クルージング中に下痢を伴う病気となりギリシャの病院に入院し、敗血症およびクロストリジウムディフィシル感染症と診断された。ギリシャで2ヶ所の病院に入院した後、アメリカの病院に転送され、敗血症と急性腎不全の治療が行われた。入院時、ギリシャで留置された中心静脈カテーテルから採取した血液を培養したところ、VIM耐性機序を示すカルバペネマーゼを産生する肺炎桿菌が検出された。この菌はギリシャでは報告されているが、アメリカでの報告はなくクレブシエラ治療に用いられる抗生物質全てに対し感受性を示さなかった。しかし、患者は十分に回復し、入院から26日目に退院した。この患者と同時期に入院していた22名を対象としたスクリーニング検査では、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)は検出されなかった。今後、全ての治療施設においてCRE感染に対する認識を持つべきであり、確認した場合の報告や感染拡大の予防措置などについてはCDC(Division of Healthcare Quality Promotion)に相談することができる。
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