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MMWR抄訳

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2010/09/17Vol. 59 / No. 36

MMWR59(36):1125-1130
Balamuthia mandrillarisTransmitted Through Organ Transplantation - Mississippi, 2009

臓器移植によるBalamuthia mandrillariの伝播-2009年、ミシシッピ

2009 年12月14日、ミシシッピ州の医師が同一ドナーからの移植により伝播した可能性のある脳炎を発症した腎移植レシピエント2例をCDCに報告した。12月 16日にCDCで実施されたドナー剖検脳組織の病理学的検査においてアメーバが検出され、これら2例は土壌中で生息する自由生活性アメーバBalamuthia mandrillariによる 肉芽腫性アメーバ性脳炎(GAE)の移植による伝播と確定された。これら患者の特徴の検討とドナーの感染経路の解明、早期検出と予防のための勧告を作成するため、ミシシッピ州、ケンタッキー州、フロリダ州、アラバマ州の保健局とCDCは調査を開始した。ドナーは健康な4歳男児であり、2009年10月にインフルエンザA感染症を発症し、その後急性播種性脳脊髄炎(ADEM)と自己免疫性神経疾患を発症して11月19日に脳死状態となった。11月20日に心臓、肝臓、腎臓が3ヶ所の移植施設で4例に移植された。腎移植レシピエントのうち31歳女性症例は、12月10日(移植20日後)に右脚の攣縮、頸部痙攣、しびれ感、頭痛などが発現し、12月16日に採取した脳生検検体でBalamuthia感染症が確認され、2 月3日(移植75日後)に死亡した。もう1例の腎移植レシピエントは27歳男性であり、やはり12月10日に重度の頭痛と嘔吐が発現し、12月29日に採取した脳脊髄液(CSF)検体のポリメラーゼ連鎖反(PCR)所見と培養所見でBalamuthia感染症と診断された。昏睡状態が2ヶ月続いたがその後回復し、神経学的後遺症はあるが生存している。同じドナーからの心移植レシピエント(2歳男児)と肝移植レシピエント(7歳男児)は腎移植レシピエントのBalamuthiaGAE診断時に無症状であり、脳MRI検査とCSF・血清・心筋/肝組織の検査所見も正常であった。2例にはペンタミジン、アジスロマイシン、フルコナゾールなどによる先制治療を行い、その後も感染の徴候はみられていない。ドナーの家族に対するインタビューによると、ドナーは死亡前の2年間ケンタッキー州、フロリダ州、ミシシッピ州に住んでおり、しばしば外で土いじりをしていた。また最初の痙攣発症の約4ヶ月までに感情が不安定になり右手の震えなどが発現していた。これは臓器移植によるBalamuthia伝播の初めての報告である。臓器斡旋機関(OPO)と移植施設は原因不明の脳炎を有するドナーについてBalamuthia感染症の可能性を意識する必要がある。また OPOは移植施設が臓器受け入れ決定時にリスクの評価ができるよう、この感染症のリスク上昇について移植施設に伝えるべきである。

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