ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)家庭のキッチンにおける食品安全教育のための自己評価・・・
2010/09/03Vol. 59 / No. 34
MMWR59(34):1098-1101
Use of a Self-Assessment Questionnaire for Food Safety Education in the Home Kitchen - Los Angeles County, California, 2006-2008
食品媒介疾患はアメリカの全年齢層における罹病の重大な原因であり、その重要な誘因はレストランや家庭のキッチンにおける不適切な食品の取り扱いと調理である。1998年にLos Angeles County Department of Public Health(LACDPH)はレストランの安全性グレードを公表するイニシアチブを開始したが、同年にその地域における非腸チフス性Salmonella、Campylobacter、Escherichia coliによる食品媒介感染症のための入院数が前年に比べて13.1%減少したのは、イニシアチブの功績だと思われている。家庭でのより安全な食品衛生習慣を促進するため、2006年春にLACDPH Environmental Health Programは任意の自己点検および教育プログラムであるHome Kitchen Self-inspection programを開始した。この報告は、最初のプログラム期間である2006年~2008年におけるこのプログラムの実施状況とプログラムに含まれる webベースでの自己評価質問票Food Safety Quizの結果について述べる。この期間中、13,274名がFood Safety Quizの質問全て(57問:45問はチェックリスト[はい/いいえで回答]、12問は人口統計学的項目)に回答した。このうち68%は女性で、78%は 18~59歳、81%は家庭での主調理者であり、17%は家庭での食事が原因で病気になったことがあると信じていた。回答例をあげると、「調理時に手から全ての貴金属を外さない/爪をきれいにしていない」28%、「すぐに使わない一部調理済み食品を最終調理まで冷蔵庫に保存しない」27%、「キッチンの棚がきたなくてほこりがある」26%、「家の中にハエ、ゴキブリ、ネズミがいる」それぞれ9、6、5%などであった。この結果に基づきスコアリングアルゴリズムを用いて家庭のキッチンをレストランと同様にグレード化した場合、34%はA(90~100%)、27%はB(80~89%)、25%は C(70~79%)であった(14%は70%以下)。Food Safety Quizのような対話方式のオンラインでの学習ツールは、地域社会における家庭での食品衛生習慣の促進に有用である可能性がある。このプログラムの内容の評価とその改善、家庭のキッチンにおける食品の取り扱いや調理の変化に対する影響の評価にはさらなる検討が必要である。
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