ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)ヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)ワクチン接・・・
2010/08/27Vol. 59 / No. 33
MMWR59(33):1069-1072
Changes in Measurement of Haemophilus influenzaeserotype b (Hib) Vaccination Coverage - National Immunization Survey, United States, 2009
アメリカでは2009年までMerck社とSanofi Pasteur社の2社に小児用のHibワクチン製剤の製造が認可されていた。Merck社の製剤は生後2、4ヶ月齢時に2回の初期接種と12~15ヶ月齢時に1回の追加接種(計3回)、Sanofi Pasteur社の製剤は2、4、6ヶ月齢時に3回の初期接種と12~15ヶ月齢時に1回の追加接種(計4回)を必要とする。しかし、National Immunization Survey(NIS)のワクチン接種率調査は製剤の種類に関する情報は要求しておらず、どちらの製剤でも3回以上の接種を受けた小児を完全接種とみなしていた。2007年12月、Merck社は2種のHibワクチン製剤(PedvaxHIB:一価Hibワクチン、Comvax:HepB混合ワクチン)の数ロットをリコールし、これら2製剤の製造を一時中止とした。このため2007年12月~2009年9月、Hibワクチンが不足する事態となり、 Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)は一時的に追加接種を延期するよう勧告を出した。これにより、Sanofi Pasteur社の製剤で3回の初期接種を受けた小児が完全接種とみなされることになったため、NISは2009年1月よりワクチン接種率の調査方法を変更し、ワクチン製剤の製品名を報告させることとした。この報告項目の追加により、1)初期接種の完了、2)初期+追加接種の完了による完全接種についての調査が行われるようになった。2008年7月2日~2009年8月11日、50州およびワシントンDCにて、19~35ヶ月齢の小児がいる家庭を対象に RDD方式により行われた調査では、8,122名より回答が得られ、初期接種率:92.9%、完全接種率:56.9%、変更前の方法による完全接種率:82.9%と推定された。州別初期接種率はモンタナ州82.3%~アラバマ州:98.0%、完全接種率はウエストバージニア州:32.6%~アラスカ州:82.7%であり、変更前の方法による完全接種率はロードアイランド州:50.9%~ニューハンプシャー州:97.7%であった。CDCは今後もこの調査を継続し、製品別のHibワクチン接種率の動向を把握するとともに、ワクチンが不足していた時期の接種率と追加接種の状況について分析する予定である。
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