ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)最新情報:インフルエンザ活性-アメリカ、2009~・・・
2010/07/30Vol. 59 / No. 29
MMWR59(29):901-908
Update: Influenza Activity - United States, 2009-10 Season
2009-10 インフルエンザシーズンのアメリカでは、2009パンデミックインフルエンザA(H1N1)の発生により季節性インフルエンザウイルスはほとんど認められなかった。2009パンデミックH1N1は2009年4月に発生し、2010年6月12日までに約740,000の検体が検査され、研究室レベルでの陽性率は例年の約4倍であった。発生のピークは第1波(陽性率:約43.1%)が6月、第2波(同:38.2%)が10月であり、WHOとNREVSSにより収集された検査検体は468,218検体、うち91,152検体(19.5%)が陽性を示した。内訳はA型:90,758検体(99.6%)、B 型:394検体(0.4%)であり、A型のサブタイプ分析は67,022検体を対象に行われ、2009パンデミックH1N1が66,916検体 (99.8%)を占め、A(H3N2)が72検体(0.1%)、季節性インフルエンザA(H1N1)が34検体(0.1%)であった。2009パンデミックH1N1ウイルスの抗原性分析では、1,904検体のうち1,895検体(99.5%)がA/California/07/2009(H1N1)に類似しており、WHOは2009-10年期に使用する2009パンデミックH1N1一価ワクチンおよび2010-11年期の北半球季節性インフルエンザワクチン成分にこのウイルスを選択している。また、2009パンデミックH1N1ウイルス4,811検体のうちオセルタミビル耐性は1.1%、1,899検体のうちアダマンタン耐性は99.8%に認められた。インフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診率は、2009年8月23日~2010年1月2日の週まで 19週間連続して全国基準値を超え、ピークは10月24日の週の7.6%であり、10月24日および31日の週はそれぞれ国内48、50州にてインフルエンザ活性が報告されていた。パンデミック期間(2009年4月~2010年5月1日)におけるインフルエンザによる入院例は、4歳以下:8.3、5~17 歳:3.4、18~49歳:3.0、50~64歳:3.8、65歳以上:3.2/10,000人であり、肺炎およびインフルエンザによる死亡率は10月3 日~12月26日の週まで連続13週間および2010年1月16日~30日の週までパンデミックの閾値を超え、ピークは11月21日の8.1%と2010 年1月23日の8.2%であった。また、小児は2009年8月30日~2010年6月12日において計279例(平均:8.8歳、2歳未満:52、2~4 歳:30、5~11歳:103、12~17歳:94例)が死亡し、過去5年間の平均値の約4倍を示した。パンデミック期間中のインフルエンザによる死亡は 344例(うち286例はパンデミックH1N1ウイルスによる)が確認されている。
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