ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)定期的なスイミングプールの検査で確認された違反-選・・・
2010/05/21Vol. 59 / No. 19
MMWR59(19):582-587
Violations Identified from Routine Swimming Pool Inspections - Selected States and Counties, United States, 2008
アメリカにて最も多く認められるrecreational water illness(RWI)のアウトブレイクは胃腸炎であり、1997~2006年に発生したRWIアウトブレイク(104件)のうち、Shigella(赤痢菌)およびノロウイルスを病原菌とするアウトブレイクは23件(23%)を占めた。 RWIの発生や怪我のリスクを最小限にするにはプールの検査により、規則の遵守を徹底することである。今回、CDCは2008年の定期的なプールの検査データ(15州、121,020件)を分析し、その結果がまとめられた。今回の検査では、規定違反の数は1施設あたり0~28件(中央値:1)、 73,953ヶ所(61.1%)にて1つ以上の規定違反が確認され、13,532/111,487ヶ所(12.1%)は違反が重大であるため、即時閉鎖となった。規定違反は殺菌剤の濃度に関する違反が12,917/120,975件(10.7%)、pHレベルの違反が10,418/113,597件 (8.9%)、その他の化学的違反は12,328/98,907件(12.5%)、これらの違反数は1施設あたり0~4件確認された。プール水の循環および濾過に関する違反は35,327/98,361件(35.9%)、1施設あたり0~9件確認された。他に記録保存に関する違反(12,656 /115,874件:10.9%)、水質検査キットに関する違反(2,99/90,088件:3.3%)、ライセンスに関する違反(有効期限切れ、非掲示など、741/28,007件:2.7%)、オペレータ訓練に関する違反(1,542/8,439件:18.3%)などが認められた。即時閉鎖となったプールでは児童用のプールのパーセンテージが最も高く(17.2%)、次いでホテル/モーテル(15.3%)、アパート/コンドミニアム(12.4%)と続き、殺菌剤濃度の違反はアパート/コンドミニアムにて最も高く(13.1%)、ホテル/モーテル(12.8%)と続いた。また、pH違反は児童用プール (11.8%)、アパート/コンドミニアム(10.0%)が多かった。これらの結果から、プールの衛生面に関してさらに精度の高い検査が必要であり、プールの管理、運用について改善の余地があることが示唆される。
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