ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)の認可と・・・
2010/03/12Vol. 59 / No. 9
MMWR59(9): 258-261
Licensure of a 13-Valent Pneumococcal Conjugate Vaccine (PCV13) and Recommendations for Use Among Children - Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), 2010
Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP)のPneumococcal Vaccines Work Groupは、2010年2月24日に認可された13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)の免疫原性、安全性などに関するデータのレビューを行った。 PCV13は肺炎球菌血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23Fを含み、それぞれ無毒性ジフテリア CRM197キャリア蛋白質に結合し、0.5mL中に約34μg含まれている。投与経路は筋肉内投与である。アメリカにて663名の乳児を対象に行われた PCV7との二重盲検ランダム化比較試験では、3回接種後にて血清型6B、9V、3の抗体応答(IgG抗体濃度0.35μg/mL以上)が認められなかったが、機能的抗体応答(オプソニン貪食試験:OPA)は全血清型にて90%以上がOPA力価1:8以上を示した。4回接種後では血清型3を除く12血清型のIgG幾何学的平均濃度は同等であり、OPA力価1:8以上は全血清型にて97%~100%であった。安全性に関しては、投与部位反応、発熱、食欲低下、被刺激性および睡眠増加、減少などが認められ、発現頻度および重症度はPCV7と同等であった。ACIPは2~59ヶ月齢の小児および60~71ヶ月齢の慢性疾患を有するハイリスク小児への接種を勧告しており、2、4、6、12~15ヶ月齢での計4回接種(接種間隔は約8週間)、7~59ヶ月齢で PCV7、PCV13ともに未接種の場合は、接種開始時期や医学的状態に応じて1~3回のPCV13接種、24~71ヶ月齢のハイリスク症例の場合は2回の接種を受けるべきである。また、12~23ヶ月齢でPCV7を3回接種されている場合は1回、24~59ヶ月齢で接種が不完全の場合も1回、 24~71ヶ月齢のハイリスク症例の場合は2回の接種が望ましい(いずれも最終PCV7接種より8週間以上経過後に接種する)。PCV7の完全接種例でもハイリスク例の場合はさらにPCV13を1回、6~18歳の鎌状赤血球疾患、HIV感染症や他の免疫無防備状態にある症例、人工内耳装着児、脳脊髄液漏出児などもPCV13を1回接種が推奨され、5歳以上の健常児に対する接種は推奨されていない。
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