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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)聴覚障害乳児の発見-アメリカ、1999~2007年

MMWR抄訳

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2010/03/05Vol. 59 / No. 8

MMWR59(8): 220-223
Identifying Infants with Hearing Loss - United States, 1999-2007

聴覚障害乳児の発見-アメリカ、1999~2007年

先天性聴覚障害の発症率は、出生児1,000名あたり2~3例である。聴覚障害の見逃しは発話や言語の発達遅滞につながる可能性があるため、米国の全州および準州は聴覚障害早期発見・介入(EHDI)プログラムを確立している。このプログラムは新生児や乳児に対するスクリーニングとその後の追跡調査の確実な実施を支援しており、内容として全新生児における生後1ヶ月以内の聴覚スクリーニング実施、スクリーニングで異常が発見された乳児における生後3ヶ月以内の診断的聴覚評価の実施、聴覚障害確認乳児における生後6ヶ月以内の早期介入とEHDIプログラムへの結果報告を推奨している。聴覚障害の新生児および乳児を発見するための取り組み状況を調査するため、CDCはEHDIサーベイランスの1999~2007年のデータを分析した。1999~2004年と 2005~2007年でデータの報告および収集の方法が異なっていたが、新生児・乳児の聴覚障害スクリーニング率は1999年(22州+準州)の 46.5%から2007年(47州+準州)には97.0%に増加した。またスクリーニングで異常が発見されたが、追跡調査に失敗した乳児(診断や介入サービスを受けなかった場合、あるいはサービスを受けたがEHDIプログラムに結果を報告しなかった場合)の割合は、CDCが初めてデータを収集した2005 年(44州+準州)の64.0%から2007年(44州+準州)には46.1%に低下した。21州では、聴覚障害と診断された乳児の数が2001年の 1,736例から2007年には2,212例へと約500例増加した。以上の所見は、EHDIプログラムにおける聴覚障害のスクリーニング・評価・介入・報告の目標達成に向けた進展を示した。EHDIプログラムによる追跡調査の取り組みの持続的拡大、医療提供者によるデータ報告、データのリンクや統合、医療提供者とEHDIプログラム間での情報共有は、追跡調査の失敗減少や同プログラムの有効性立証のために重要である。

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