ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)予防接種情報システムの進歩-アメリカ、2008年
2010/02/12Vol. 59 / No. 5
MMWR59(5): 133-135
Progress in Immunization Information Systems - United States, 2008
予防接種情報システム(IIS)は予防接種に関するデータを収集・統合し、予防接種に関する通知を出す参考にしたり、接種率の分析に利用される機密性のコンピューター情報システムである。CDCは2010年までにIISによる6歳未満の小児95%以上の情報収集を目標としており、この目標達成のため毎年、国内50州および5つの市とワシントンDCの予防接種調査をImmunization Information Systems Annual Report(IISAR)を通じてモニターしている。2008年、6歳未満の小児、約1,800万人(全体の75%に相当、2006年は1,500万人、65%)がIISに参加しており、22(42%)の地域で目標の95%を上回り(2006年:15/56、27%)、80~94%の地域は 11(21%)であった。また、11~18歳の思春期齢は2,300万人(65%、2006年:2,230万人/66%)、19歳以上の成人は5400万人(24%、2006年:3,350万人/18%)が参加し、IIS参加者の19%が6歳未満の小児であり、思春期齢、成人がそれぞれ25%、57%を占めた。IISへの登録時期は2008年には出生から6週間以内が71%(2006年:69%)であり、6歳未満の小児の予防接種に関するデータは67%が接種後30日以内に登録されていた(2006年:69%)。IISデータの完全性を1)National Vaccine Advisory Committee(NVAC)データとの照合、2)19~35ヶ月齢の小児における4:3:1:3:3:1シリーズ接種率(3種混合ワクチン:4回、ポリオ:3回、MMR:1回、Hib:3回、B型肝炎:3回、水痘:1回)の評価により検討した結果、1)に関しては氏名、出生日、性別、出生地、母親の氏名、ワクチンの型、製造元、ロットナンバー、接種日など17種類の基礎データのNVACとの完全性は2006年と2008年においてほぼ変化は認められず、6項目にて90%を超えた。2)に関しては、4:3:1:3:3:1シリーズ接種率はIISでは2006年の45%から2008年には47%に増加したが、National Immunization Survey(NIS)の76%(2008年)よりも低かった。IISデータを他のシステムのデータと相互運用するためには、IISの適用範囲を拡大し、データの質を向上させる必要が示唆される。
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