最新情報:インフルエンザ活性－アメリカ、2009年8月30日～10月31日

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MMWR抄訳

2009/11/13Vol. 58 / No. 44

MMWR58(44):1236－1241
Update: Influenza Activity － United States, August 30-October 31, 2009

最新情報:インフルエンザ活性－アメリカ、2009年8月30日～10月31日

アメリカにおける2009-10インフルエンザシーズンの開始(2009年8月30日)から2009年10月31日までのインフルエンザ活性の概要を報告する。この期間中アメリカでは163,123の気道検体が検査され、48,585検体(30%)がインフルエンザウイルス陽性、このうち48,483検体 (99.8%)がインフルエンザA型であった。サブタイプを検討したインフルエンザA型32,867株(68%)のうち32,814株(99.8%)は 2009年パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルス、18株(0.1%)は季節性インフルエンザA(H1)ウイルス、35株(0.1%)はインフルエンザA(H3)ウイルスであった。9月1日以降に分離されたパンデミックインフルエンザA(H1N1)239株について抗原性を検討した結果、 238株(99.6%)はWHOが2009年パンデミックインフルエンザA(H1N1)ワクチンウイルスとして選択したA/California/7 /2009(H1N1)pdm参照ウイルス株に関連していた。9月1日以降に分離されたパンデミックインフルエンザA(H1N1)256株についてノイラミニダーゼ阻害薬に対する耐性を評価した結果、全株がザナミビルに、また4株以外全てがオセルタミビルに感受性を示した。2009年4月以降に分離されたオセルタミビル耐性菌の総数は14株となった。耐性菌が分離された患者14例中12例には、治療または化学的予防のためオセルタミビルが投与されていた。 9月1日以降、アダマンタン系薬剤(アマンタジン、リマンタジン)に対する耐性を評価したインフルエンザA(H3N2)1株とパンデミックインフルエンザ A(H1N1)152株全てがこれら薬剤に耐性を示した。インフルエンザ活性については、インフルエンザシーズン最初の週(8月30日～9月5日)に11 州(主に南部)で広範囲な活性が報告され、その数は翌週には26州に増加し、10月31日の週には2州(ミシシッピ州、ハワイ州)以外全ての州で広範囲な活性が報告された。2008-09インフルエンザシーズンでは2009年1月10日の週の前に広範囲な活性を報告した州はなかった。インフルエンザ様疾患 (ILI)による外来受診率は9月5日の週の3.5%から10月31日の週には7.7%に増加し、この期間中ずっと全国基準値(2.3%)を超えていた。 Emerging Infections Program(EIP)10サイトおよびEIP新規6サイトの報告によると、インフルエンザ関連入院率(1万人あたり)は0～4歳がそれぞれ3.1、 7.3、5～17歳が1.5、2.9、18～49歳が1.2、1.2、50～64歳が1.3、1.2、65歳以上が1.0、1.1であった。10月31日の週における肺炎およびインフルエンザ関連死亡率は7.4%であり、5週連続して流行閾値(6.7%)を超えた。8月30日～10月31日にインフルエンザ関連死小児は85例報告され、そのうち73例は2009年パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルスの検査確認例であった。85例中12例 (14%)は2歳未満、9例(11%)は2～4歳、30例(35%)は5～11歳、34例(40%)は12～17歳であった。診療記録が報告された78例中56例(72%)はインフルエンザ関連合併症のリスク上昇が知られている病態を1種類以上有していた。4月26日以降CDCに報告されたインフルエンザ関連死小児145例のうち129例(89%)は2009年パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルスの検査確認例であった。

References

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