予防投与を受けていた2人のサマーキャンプ参加者におけるオセルタミビル耐性2009パンデミックインフルエンザ A(H1N1)ウイルス感染症－ノースカロライナ州、2009年

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MMWR抄訳

2009/09/11Vol. 58 / No. 35

MMWR58(35):969－972
Oseltamivir-Resistant 2009 Pandemic Influenza A (H1N1) Virus Infection in Two Summer Campers Receiving Prophylaxis － North Carolina, 2009

予防投与を受けていた2人のサマーキャンプ参加者におけるオセルタミビル耐性2009パンデミックインフルエンザ A(H1N1)ウイルス感染症－ノースカロライナ州、2009年

2009 パンデミックインフルエンザA(H1N1)の治療および予防にはノイラミニダーゼ阻害薬が広く用いられるが、オセルタミビル耐性も世界中で散発的に報告され、アメリカでは9月4日現在、9例が報告されている。7月14日、CDCはノースカロライナ州のサマーキャンプに同行する医師からオセルタミビルの予防投与を受けていた少女2名におけるインフルエンザ様疾患(ILI)の発症に関する報告を受けた。このキャンプは6月14日より7月10日までの4週間(第 1期)と7月13日からの4週間(第2期)の予定で行われ、第1期にはキャンパー約650名、スタッフ約350名、第2期にはキャンパー約350名、スタッフ約300名が参加していた。ILIのアウトブレイクは第1期の開始後まもなく、6月18日より認められ、最終例の診断は7月22日、発症例(キャンパー:61例、スタッフ:4例)は全て発症から7日間隔離され、キャンパーの1例を除きオセルタミビルが投与された。また、6月18日より発症例の兄弟姉妹および同室に滞在していたキャンパーに対しオセルタミビルまたはザナミビルの予防投与(2期を通じ計418名のキャンパーと189名のスタッフ)が行われた。思春期齢の少女(症例A)は発症例との接触はなかったが6月26日～7月5日にオセルタミビル75mg/日の予防投与を受けた。7月5日に同室の発症例(症例C)と接触したため、7日より再びオセルタミビルの投与が開始された。8日に咳と頭痛、9日に寒気、頭痛の悪化および下痢を来たしが、10日（第1期の最終日）に一度帰宅、12日には第2期への参加のためキャンプに戻り、12日の簡易検査で陽性となったため、オセルタミビル75mgを1日2回に増量し、他の参加者やスタッフから隔離、その後回復した。22日の検査にて2009パンデミックインフルエンザA(H1N1)ウイルスが検出され、また、8月19日のCDCの検査にてオセルタミビル耐性に関与するH275Y、I223V変異が認められた。また、もう1名の少女(症例B)は症例Aと同じ小屋に宿泊、オセルタミビルの予防投与は7月7日、症例Cとの接触後に開始した。10日に帰宅、翌11日には38.8℃の発熱と咽頭痛、咳を来たしたが、モールや映画館に出かけていた。12日、キャンプに戻った時には発熱、頭痛、咳、倦怠感および筋肉痛を訴え、簡易検査にて陽性が確認された。オセルタミビルからザナミビル(5mg×2回吸入、1日2回)へ変更、14日には症状が軽快し、17日には消失、20日の検査にて2009パンデミックインフルエンザ A(H1N1)ウイルスが検出され、8月14日の検査にて症例A同様、H275Y、I223V変異が認められた。症例A、Bともにキャンプ外での二次感染はなく、また、他の症例から採取した59検体からH275Y、I223V変異は検出されていない。

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