ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)野生型およびワクチン由来ポリオウイルスの研究所サー・・・
2009/09/04Vol. 58 / No. 34
MMWR58(34):950-954
Laboratory Surveillance for Wild and Vaccine-Derived Polioviruses - Worldwide, January 2008-June 2009
WHO と共同しているGlobal Polio Laboratory Network(GPLN) には97ヶ国、144の研究所が参加し、急性弛緩性麻痺患者の便検体からのポリオウイルス分離と同一血清型内分化(ITD)法による分離株の特徴の分析を行っている。このネットワークのデータに基づいてポリオ患者の確定、輸入源の特定、ワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)の検出、野生型ポリオウイルス (WPV)循環状況の調査などを行い、結果はGlobal Polio Eradication Initiativeに利用されている。この報告は、2008年1月~2009年6月のGPLNの活動内容とWPVおよびVDPVの検出状況をまとめたものである。WHOは年1回研究所認定プログラムを行って全GPLN研究所の遂行能力(結果の正確性や適時性)を評価している。2008年には全体として 136(94%)の施設がWHOによって完全に認定され、6施設は仮認定(正確性は合格したが、一部の遂行能力が不良)、2施設は技量テストに失敗し認定されなかった。2008年1月~2009年6月のGPLNの仕事量は2007年1月~2008年6月に比べて6%増加した。この期間中、GPLNは急性弛緩性麻痺127,566例より採取した便247,794検体を検査し、ポリオウイルス14,279(5.8%)株を分離した(WPV:4,280、 Sabin様ポリオウイルス;9,999)。WPV4,280株(1.7%)のうち2,582株(60%)はアフリカ地域の17ヶ国、476株(11%) は東地中海地域の3ヶ国、1,222株(29%)は東南アジア地域の2ヶ国で分離された。また641株(15%)はポリオが風土病となっていない18ヶ国からの分離株であった。Sabin様ポリオウイルス9,999株では457株(4.6%)がVDPVと分類された。GPLN研究所の遂行能力は、ポリオウイルスのサーベイランスやポリオウイルス伝播地域からポリオを根絶するための取り組みに必須である。WPV伝播が全世界で遮断されるまで、全ての国々は WPV輸入のリスクとその影響を最小限にするためにポリオワクチンの接種率と急性弛緩性麻痺のサーベイランスについて高レベルを維持する必要がある。
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