ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)腺ペストと肺ペスト-ウガンダ、2006年
2009/07/24Vol. 58 / No. 28
MMWR58(28):778-781
Bubonic and Pneumonic Plague - Uganda, 2006
ペストはYersinia pestis(ペスト菌)によって起こる致死性のノミ媒介疾患である。発症頻度が高いのは腺ペストで、高熱と限局性リンパ節炎が発現する。治療しないと感染はリンパ節から肺に拡大して肺ペストとなる。肺ペストはヒトからヒトへ伝播する可能性がある。2006年11月、Uganda Ministry of Healthはウガンダ北西部のArua 地区とNebbi地区の住民における腺ペスト患者の増加と肺ペストのアウトブレイク発生の可能性に関する報告を受けた。この報告は、2006年11月28 日~12月30日にUganda Ministry of HealthとCDCが両地域で実施した共同調査の結果をまとめたものである。調査の結果、2006年7月19日~12月30日に発症したペスト患者 127例とNebbi地区における肺ペストアウトブレイクのエビデンスを確認した。患者の年齢中央値は14歳(生後2週~65歳)、65例(51%)は女性で、28例(22%)が死亡した。症状の記録のある102例中90例(88%)が腺ペスト、12例(12%)が肺ペストであった。肺ペストで死亡した 11例中6例(55%)は1つの村の住民であり、そのうち4例は家族であった(10歳男児、その母親、祖母、叔母)。この村の住民は当初この疾患を地域の確執を原因とする超自然的現象と考え治療を受けなかったが、確執のない他の村民が同様の症状で死亡したことから医療施設を受診するようになり、適切な抗生物質治療により回復した。横痃が発現した90例中11例より採取した横痃吸引物ではY.pestisは検出されなかったが(11例中8例は検体採取前に抗生物質治療を実施)、回復期に採血してペスト菌F1抗原に対する抗体価を測定した38例中5例では最近あるいは過去のY.pestis感染が示唆された。この調査期間中に両地域で回収した死亡ラット8匹のうち4匹は直接蛍光抗体染色法、2匹は分離培養でY.pestis陽性であった。ペスト伝播を遮断するため、地区の村民で構成された媒介動物制御チームは2006年12月8日からジクロルボスの適応を開始した。以上の調査結果は、ウガンダの農村部住民に対するペストの感染源・徴候・症状・救命のための治療の重要性に関する教育努力の持続、ペストのサーベイランスと診断能力の強化、緊急対策と媒介動物制御機能の改善(特に国の遠隔地域) の必要性を強調する。
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