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MMWR抄訳

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2009/05/15Vol. 58 / No. 18

MMWR58(18):500-503
Outbreak of SalmonellaSerotype Saintpaul Infections Associated with Eating Alfalfa Sprouts - United States, 2009

アルファルファスプラウトの摂食によるSalmonella血清型 Saintpaul感染症のアウトブレイク-アメリカ、2009年

2009 年2月24日、Nebraska Department of Health and Human Servicesは2月7日~14日に採取した検体よりSalmonella血清型Saintpaulの分離菌6 株を同定した。SalmonellaSaintpaulは一般には検出されない血清型であり、2008年にネブラスカ州では3株確認されたのみであった。この報告は、2月1日以降13州(ネブラスカ、アイオワ、サウスダコタ、ミシガン、カンザス、ペンシルベニア、ミネソタ、オハイオ、イリノイ、ウェストバージニア、フロリダ、ノースカロライナ、ユタ)で228例が発症したSalmonellaSaintpaul感染症のアウトブレイクに関する調査の予備的結果について述べる。2月26日、ネブラスカ州住民におけるSalmonellaSaintpaul感染に関して全国の州保健衛生局に通知したところ、アイオワ州、カンザス州、ミネソタ州、ミズーリ州、サウスダコタ州からも感染例の報告があった。ネブラスカ州患者14例のインタビューによると、5例はあるレストランチェーン(チェーンA)によく行っており、9例は最近アルファルファスプラウトを食べたことが明らかになった。またアイオワ州患者7例のインタビューでは1例がチェーンAで食事をしており、6例はアルファルファスプラウトを食べていた。ネブラスカ州とアイオワ州の保健衛生局が症例-対照研究を行った結果、アルファルファスプラウトの摂食者は症例群(27/32例)が対照群 (5/32例)に比べて有意に多かった。その他に疾患と有意な関連がみられた食品はなかった。チェーンAでの食事経験も症例群(24/32例)が対照群 (10/32例)に比べて有意に多かったが、アルファルファスプラウトの摂食を調整後、有意差はみられなくなった。さらに3月19日までに同定されインタビューを完了した感染者156例のうち114例(73%)がアルファルファスプラウトを食べており、3月15日以降に発症した42例でも少なくとも20例が最近スプラウトを食べていた。トレースバックの結果、全てのスプラウトがネブラスカ州オマハにある発芽施設(施設A)で発芽させたものであることが明らかになった。さらにアウトブレイク期間内に発芽させたスプラウトの種子は全て種子販売会社Bから購入したものであり、種子のロットナンバーから同じ種子栽培業者(栽培業者C)が栽培したものであることが判明した。感染者全228例の年齢中央値は29歳(1歳未満~85歳)で、69%は女性であった。情報が得られた患者における入院率は4%であり、死亡例は報告されていない。4月26日、FDAとCDCは今後の通告が出るまでアルファルファのスプラウトを生で食べないよう消費者に勧告した。また5月1日、FDAはスプラウトの栽培業者と小売業者に、種子販売会社Bが032で始まる6桁のロットナンバーがついたアルファルファの種子を自発的に市場から回収していることを通知した。

References

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