ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)最新情報:豚インフルエンザA(H1N1)ウイルス感・・・
2009/05/01Vol. 58 / No. 16
MMWR58(16):431-433
Update: Infections With a Swine-Origin Influenza A (H1N1) Virus - United States and Other Countries, April 28, 2009
2009 年4月21日以降、CDCはヒトからヒトへ感染した豚インフルエンザA(H1N1)ウイルス(S-OIV)による呼吸器感染症例を報告している。この報告は、アメリカでの感染確定例の最新情報とCDCによる感染防御対策について述べる。4月28日現在、アメリカにおけるS-OIV感染確定例は全体で64例に増加した(カリフォルニア州:10、カンザス州:2、ニューヨーク州:45、オハイオ州:1、テキサス州:6)。CDCと州および地域の保健衛生局は臨床的・疫学的特徴を確認するためアメリカの全症例について調査中である。またCDCは4月27日にS-OIV感染症の暫定的な症例定義を発表した。CDC に報告された年齢が判明した感染者47例における年齢中央値は16歳(3~81歳)で、38例(81%)は18歳未満、51%は男性であった。発症日が判明した25例は3月28日~4月25日に発症していた。現時点でアメリカ内での死者は報告されていないが、5例が入院中である。渡航歴が判明した14例中 3例はメキシコに渡航していた。47例中40例(85%)は渡航や他の確定例との関連がみられていない。WHOによると、4月27日の時点でのS-OIV 感染確定例はメキシコで26例、カナダで6例、スペインで1例報告されている。FDAは4月27日に緊急使用認可(Emergency Use Authorizations[EUA])としてインフルエンザの治療および予防のためのオセルタミビルとザナミビル、一般市民用の使い捨てN95マスク、診断のためのrRT-PCR Swine Flu Panelの緊急使用を許可した。さらにWHOが国際的な公衆衛生上の緊急事態であることを宣言したことから、CDCは空港などの水際で疾病者を見逃さないよう監視を強化し、メキシコへの不要な渡航は避けるよう勧告した。またCDCはヒトS-OIV感染症への対応として非薬剤的地域感染拡大抑制のための暫定的ガイドラインも発表している。
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