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MMWR抄訳

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2009/03/27Vol. 58 / No. 11

MMWR58(11):277-281
Nonfatal Fall-Related Injuries Associated with Dogs and Cats - United States, 2001-2006

イヌおよびネコに関連する非致死的転倒事故-アメリカ、2001~2006年

2006 年、アメリカでは約800万人が転倒による怪我のため救急外来(ED)を受診しており、イヌ、ネコはその要因の1つとなっている。今回、CDCは 2001~2006年のNational Electronic Injury Surveillance System All Injury Program(NEISS-AIP)データを分析し、イヌおよびネコに関連する転倒事故の発生率に関する調査を行った。この期間、イヌ、ネコによる非意図的、非致死的な転倒による怪我のためEDを受診したNEISS-AIP登録例は7,456例であり、全国的には毎年平均86,629例(人口10万人あたり29.7)と推定され、ネコよりもイヌによる怪我が多く[イヌ:76,223(88.0%)、ネコ:10,130(11.7%)]、性別では男性よりも女性(約2.1倍)、年齢別では0~14歳および35~54歳で多かった。怪我の種類は骨折、打ち身/擦り傷が多く、75歳以上では骨折が最も多く、また、入院した症例のうち79.9%は骨折であった。転倒事故は室内または家の周辺での発生が多く、61.6%が家周辺、道路や公共の場所では16.4%が発生していた。イヌによる怪我は散歩中に26%発生、イヌにつまずいたり転んだり(31.3%)または飛びつかれたり、引っ張られたり(21.2%)が多く、ネコによる怪我はほとんどが家の中で発生(85.7%)、つまずいたり転んだりが最も多く(66.4%)、ネコを追いかけて怪我した症例は11.7% であった。年齢とともにネコ、イヌともに怪我は増え、イヌによる怪我の増加が顕著であった。アメリカでは2006年、約4,300万人がイヌを、 3,750万人がネコを飼い、約64%が多頭飼いである。イヌやネコを飼う高齢者が増加しており、散歩やペットを追いかけたりすることで転倒事故が起こることを周知し、指示に従うようしつけること、転倒する危険を含む行為を避けることなどが怪我の抑制に重要と思われる。

References

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  • Schroeder T, Ault K. National Electronic Injury Surveillance System All Injury Program: sample design and implementation. Bethesda, MD: US Consumer Product Safety Commission; 2001.
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  • Eastwood EA, Magaziner J, Wang J, et al. Patients with hip fracture: subgroups and their outcomes. J Am Geriatr Soc 2002;50:1240-9.

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