ホームIMICライブラリMMWR抄訳2009年(Vol.58)結核症例の遺伝子型クラスターに関する調査-ミシガン・・・
2009/03/13Vol. 58 / No. 9
MMWR58(9):226-229
Ivestigation of a Genotype Cluster of Tuberculosis Cases - Detroit,Michigan, 2004-2007
2007 年8月、Detroit Department Health and Wellness Promotion、Michigan Department of Community Health(MDCH)およびCDCは、デトロイト都市部周辺のアメリカ生まれの結核(TB)患者を対象に遺伝子型クラスターの調査を行った。アメリカでは2004年1月、CDC’s National Tuberculosis Genotyping Serviceにより全ての培養検査陽性例の遺伝子型分析が可能となっており、2007年には国内の培養検査陽性例の86%、ミシガン州ではほぼ100% に関する遺伝子型情報が得られている。2004年12月~2007年4月、デトロイト都市部周辺では遺伝子型の一致するTB患者8例が確認された。1例目 (index patient)はアルコール過剰摂取および違法ドラッグ使用歴を有する住所不定の非労働者であり、first-lineの抗結核薬(イソニアジド、リファンピン、ピラジナミド、エタンブトール)による治療が開始された。その後患者の同意を得て、直接監視下療法(DOT)が始められたが、5週後 (2005年2月)より指定日に来院せず、4月まで追跡不能であった。2004年12月~2005年1月の間に患者との接触者(家族5名を含む)を対象に実施したツベルクリン皮膚検査(TST)はいずれも陰性であったが、8~10週後の再検査は家族4名が検査を拒否、1名(患者の子供)は陰性であった。 2005年4月以降、患者は毎月の服薬を再開するものの、6月にはAFB喀痰塗沫検体が陽性に転じ、さらに以降2005年12月まで再び追跡不能となり、 2006年1月、咳と倦怠感のため再受診した際には症状が進行しており、DOTを再開するも9月には多剤耐性(MDR)TBとなった。さらに12月には患者の親が死亡、もう一人の親も慢性の頭痛、腰痛、体重減少、疲労感、全身衰弱を呈し、患者と同一遺伝子型TBが検出された。また、2007年2月には同居していた親類小児がTST陽性となり、MDR TB肺炎と診断された。これを受けて実施された2007年8月の検査ではindex patientを含む計8例に同一遺伝子型TBを認めた(15~47歳、男4女3性転換者1、全例黒人、HIV陽性1陰性6不明1)。2009年2月現在、index patientはDOTにより治療を継続しており、5月には治療が完了する予定であり、他の症例は抗結核療法を完了した。また、デトロイト都市部周辺では 2004年12月~2007年4月、約350例がTBと診断されたが、これらの症例から検出されたTBの遺伝子型は一致していない。
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