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MMWR抄訳

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2009/03/06Vol. 58 / No. 8

MMWR58(8):198-201
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Afghanistan and Pakistan, 2008

ポリオ根絶へ向けた進歩-アフガニスタンとパキスタン、2008年

2008 年1月~12月のアフガニスタンとパキスタンにおけるポリオ根絶活動の概要を報告する。2007年のアフガニスタンとパキスタンの乳児(生後12ヶ月未満)では定期的3価経口ポリオワクチン3回接種率(OPV3)は全体で83%であった。しかし2008年の急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスデータによると、生後6~23ヶ月の非ポリオAFP小児における定期的OPV3接種率はアフガニスタンの中央部69%、東部66%、南東部47%、南部13%、パキスタンのパンジャブ州72%、北西辺境洲60%、シンド州53%、バロキスタン州37%と低かった。2008年、両国は共同して5歳未満の小児を対象とした1型野生ポリオウイルス(WPV)と3型WPVに対するOPVによる大規模戸別の補足的予防接種活動(SIA)を継続して行った。アフガニスタンは全国的予防接種週間(NID)を4回、東部、南東部、南部(パキスタンとの国境部)で地域的予防接種週間(SNID)を5回、パキスタンはNIDを5回、主要なWPV伝播地域でSINDを6回行った(5歳未満の小児のカバー率:それぞれ約50%、40~50%)。しかし治安の悪化により近づけない地域に居住する5歳未満の小児の割合は両国で増加した。全国的な非ポリオAFPの年間発症率(15歳未満の10万人あたり)はアフガニスタンが7.6例、パキスタンが6.5例であり(2007年:それぞれ6.9、5.6例)、AFP症例における適切な便検体の採取率はアフガニスタン93%、パキスタン90%であった。2008年のWPV発症例はアフガニスタンで31例、パキスタンで118例報告された(2007年:それぞれ17例、32例)。アフガニスタンは紛争の影響を受けている南部地域以外多くの地域でポリオフリーが維持されたが、パキスタンでは特にパンジャブ州のポリオフリー地域でのWPV1再興後WPV伝播が増加した。アフガニスタンとパキスタンにおけるWPV伝播遮断に向けたさらなる進歩には、両国の紛争地域に近づくための対策、SIAの質と定期的予防接種活動の改善が必要と考える。

References

  • CDC. Progress toward interruption of wild poliovirus transmission-worldwide, January 2006-May 2007. MMWR 2007;56:682-5.
  • CDC. Progress toward poliomyelitis eradication-Pakistan and Afghanistan, 2007. MMWR 2008;57:315-9.
  • World Health Organization. WHO vaccine-preventable diseases monitoring system: 2008 global summary. Geneva, Switzerland: World Health Organization. Available at <http://www.who.int/vaccines/globalsummary/immunization /countryprofileselect.cfm>.

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