若年の黒人男性同性愛者におけるHIV感染症－ミシシッピ州ジャクソン、2006～2008年

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MMWR抄訳

2009/02/06Vol. 58 / No. 4

MMWR58(4):77－81
HIV Infection Among Young Black Men Who Have Sex with Men － Jackson, Mississippi, 2006-2008

若年の黒人男性同性愛者におけるHIV感染症－ミシシッピ州ジャクソン、2006～2008年

アメリカでは黒人の男性同性愛者(MSM)におけるHIV/AIDSの新規発症数が特に高く、33州の若年黒人MSM(13～24歳)のHIV/AIDS症例数は2001年から2006年にかけて93%増加した。2006年、特に南部における黒人MSMの新規AIDS症例数は、他の地域の合計よりも多かった。2007年11月、Mississippi State Department of Health(MSDH)はCDCにミシシッピ州ジャクソンの性行為感染症(STD)診療所で若年黒人MSMのHIV感染診断者数が増加していることを報告した。HIVサーベイランスデータのレビューにより、ジャクソン地域(Hinds、Madison、Rankin郡)におけるHIV感染者数は 2004～2005年の185例から2006～2007年には222例に、17～25歳の黒人MSMのHIV感染者数は同時期に22例から32例に増加したことが明らかになった(それぞれ20%、45%増加)。MSDHとCDCはジャクソン地域で2006年1月～2008年4月にHIV感染症と診断された若年黒人MSM29例を対象とし、リスク行動とHIV検査の実施状況について調査した。29例中19例(66%)はゲイ/同性愛者、7例(24%)は両性愛者、2例(7%)は異性愛者と回答した。20例(69%)は初回HIV検査陽性の12ヶ月前に男性パートナーと無防備の肛門性交を行っており、16例 (55%)はその期間に26歳以上の男性パートナーが存在した。26例(3例は無回答)におけるこの期間中の男性パートナー数は1～11人(中央値:3.5)であり、3例(10%)は女性パートナーが存在し、16例(55%)は同時に数人と性的関係があった。6例(21%)は初回HIV検査陽性前の2年間にHIV検査を受けておらず、5例(17%)は1回検査を受けていた。初回検査陽性時に3例(10%)はHIVに感染した可能性があると思われたが、15例(52%)は感染した可能性は低いと思われた。全例でHIV診断前の12ヶ月間に注射薬の使用歴はなく、12例(41%)は大麻、3例 (10%)はエクスタシー・粉末コカインの使用経験があった。これらの対象者が特に南部におけるHIV感染症リスクの高い黒人MSM群の代表例となるかどうかについては、さらなる調査が必要である。また今後の対策として黒人MSMにおけるHIVリスク行動減少を目標とした介入を開発、実施し、HIV伝播の減少について評価する必要もある。

References

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