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MMWR抄訳

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2008/08/29Vol. 57 / No. 34

MMWR57(34):942-946
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Nigeria, January 2007-August 12, 2008

ポリオ根絶への進歩-ナイジェリア、2007年1月-2008年8月12日

ナイジェリア、アフガニスタン、インド、パキスタンの4ヶ国では依然としてポリオウイルスの伝播が認められており、ナイジェリアでは北部の数州にて経口ポリオワクチン(OPV)の信頼性の低下や追加予防接種活動(SIAs)の中止などにより2003~2004年にかけて野生型ポリオウイルス(WPV)伝播が復活し、その後2006年にかけてポリオフリーとなった国々へ拡大していった。2006年、ナイジェリア健康局はWPV拡大をコントロールするため、1型 WPV(WPV1)伝播阻止を焦点とし、ワクチン効果を高めるため1価1型OPV(mOPV1)を2006年3月よりSIAsに導入、さらに予防接種を受け入れる地域を拡大するため2006年5月、SIAを予防接種プラス日(IPDs)と呼ばれる実施方法に変更した。IPDsはOPVと他の健康的介入(他の予防接種や寄生虫駆除、寝具の殺虫処理など)を定位置にて提供すると共に、OPVを戸別接種するものであり、2006年に4回、2007年には6回、 2008年は8月12日現在、全国的IPDsが2回、地域的IPDsは3回実施されている。予防接種を1回も受けていない小児はポリオフリー地域で 2007年:2%、感染地域では18%であり、特に発生率の高い北部7州では2006年:45%、2007年:30%、2008年:25%と減少傾向にある。非ポリオ急性弛緩性麻痺(AFP)の発症率は2007年15歳未満の小児10万人あたり5.9(2006年:7.9)と低下し、便検体収集率も 2006年:86.4%から2007年:91.6%に増加している。また、2007~2008年におけるWPV症例は841例(うち3歳未満の小児 622、74%)であり、2007年の発症例(285例、WPV1:116、WPV3:169)は州別ではKano州が最も多く(60、WPV1:11、 WPV3:49)、他の北部6州にて114例(WPV1:44、WPV3:70)の発症を認め、2008年の発症例(556例、WPV1:511、 WPV3:45)もKano州が最も多い(194、WPV1:190、WPV3:4)。2006年にはポリオ発症例を18/37州(49%)にて認めたが、2007年は23州(62%)、2008年も23州と増加しており、全ての小児に対するSIAの実施に向け、緊急の伝播防止対策が必要であろう。

References

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