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MMWR抄訳

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2008/05/16Vol. 57 / No. 19

MMWR57(19): 525-527
Paddle Sports Fatalities - Maine, 2000-2007

パドルスポーツによる不慮の死-メイン州、2000~2007年

2006年、米国では約7000万人がレクリエーションでボートを漕ぎ、パドルスポーツ用の船(カヌー、カヤック、ラフト[空気で膨らますゴムボート])はボート市場において最速の成長を遂げている。パドルスポーツに関連した死亡の傾向と特徴を分析するため、Maine Department of Health and Human Servicesは2000~2007年に天然水源(湖、池、川、海)でのカヌー、カヤック、ラフトの使用に関連した不慮の死に関するデータを調査した。2000~2007年、メイン州ではパドルスポーツに関連した37回の事故で38例が死亡し、このうち29例(76%)はメイン州住民であった。パドルスポーツによる死者はメイン州における同期間中のボート関連死82例のうち46%を占めた。死者38例中22例(58%)はカヌー、12例(32%)はカヤック、4例(10%)はラフトに関連した。直接的な死因として23例(61%)は転覆後、8例(21%)は船外転落後、2例(5%)が木々などに引っかかった後に溺死し、痙攣発作歴のある2例も溺死した。また2例は乗船中の心拍停止、1例(3%)は低体温症により死亡した。外傷による死亡はなかった。26例(68%)は救命胴衣(PFD)を装着していなかった。また血中アルコール濃度を測定した31例中5例は、その濃度がメイン州での運転および漕艇のための法的限度である0.08g/dL以上(0.12~0.24g/dL)であった。38例中35例(92%)は男性、年齢中央値は48歳(16~77歳)であり、漕艇経験の情報が得られた22例中10例はその経験が20時間未満であった。パドルスポーツによる不慮の死のリスクを低下させるために、ボートおよび水上スポーツ関連組織は漕艇者に対し安全教育を実施し、PDFの使用やボート乗船前あるいは乗船中の禁酒を奨励する必要がある。

References

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  • US Coast Guard. Boating statistics 2006. Washington, DC: US Department of Homeland Security; 2007. Available at <http://www.uscgboating.org/statistics/boating_statistics_2006.pdf>.
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  • State of Maine Department of Inland Fisheries and Wildlife. State of Maine boating: 2007 laws and rules. Augusta, ME: State of Maine Department of Inland Fisheries and Wildlife. Available at <http://www.maine.gov/ifw/laws_rules/pdf/boatinglaws2007.pdf>.
  • BoatUS Foundation. Life jacket loaner program. Annapolis, MD: BoatUS Foundation; 2007. Available at <http://www.boatus.com/foundation/ljlp/index.htm>.
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