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MMWR抄訳

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2008/05/16Vol. 57 / No. 19

MMWR57(19):517-521
Use of Enhanced Surveillance for Hepatitis C Virus Infection to Detect a Cluster Among Young Injection-Drug Users - New York, November 2004-April 2007

若年の注射薬使用者におけるC型肝炎ウイルス感染症患者集団を発見するための強化サーベイランスの利用-ニューヨーク、2004年11月~2007年4月

米国においてC型肝炎ウイルス(HCV)感染症は慢性肝疾患の主因であり、約320万人の患者が存在する。HCV感染症の最も一般的な危険因子は非合法ドラッグの使用(特に注射薬使用[IDU])であるが、約1/3~1/2の患者では危険因子が確認できない(New York State Department of Health[NYSDOH]、未発表データ[2008年])。また急性HCV感染症の約80%は無症状で最近の感染を示す血清学的マーカーも陰性であるため、全国的なHCV感染症発生率の確定は困難である。CDCはニューヨーク州と他の7地域におけるHCV感染症と他のウイルス性肝炎のサーベイランスを強化するために資金を提供しており、その強化サーベイランスのプロジェクトのひとつは最近感染した可能性の高いHCV感染症患者を発見することである。30歳未満群は30歳以上群に比べ新たな感染者が多いと思われることから、NYSDOHは2006年1月以降、30歳未満群におけるHCV感染症の検査マーカー陽性者の追跡調査を優先して行っている。2007年2月、NYSDOHはニューヨーク州Buffaloのあるコミュニティに住む30歳未満のHCV感染症患者集団を発見した。この報告では、NYSDOHとErie County Department of Health(ECDOH)によるその後の調査の概要を紹介する。NYSDOHは同コミュニティの居住者を対象とした最初のレトロスペクティブレビューでHCV感染者8例を確認したことから、さらなる調査を行った。その結果、2004年11月~2007年4月に20例のHCV陽性患者が報告されたことが明らかになった。Erie Countyに存在するこのコミュニティ(2000年人口:42000人)における2004年11月~2007年4月のHCV感染者の新規報告率は30歳未満の住民10万人あたり47.5例(Erie Countyにおける報告率:18.6例)と高かったことから、この患者群の特徴を分析した。これら20例(男性:15、17~29歳)中4例は血清アラニントランスアミナーゼ値の上昇や急性C型肝炎症状発現の徴候があり、16例は無症状あるいは急性疾患の定義に一致しない症状を有し、慢性HCV感染症と診断された。20例中19例はIDUの経験者であり、19例は同じ高校に通学していた。NYSDOHとECDOHは、Erie County全体で注射薬使用HCV感染症集団を対象としたいくつかの介入を開始した。30歳未満群のようなHCV感染リスクの高い集団に対するアプローチを最優先させた強化サーベイランスにより、HCV感染患者集団およびそのアウトブレイクを効果的に発見し適切な介入を実施することができる可能性がある。

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